今回は、日本語表現を平易にすることで、英語の言いかえを簡単にする方法を見ていきます。※本連載は、英会話講師・英会話コーチ・元通訳者で、株式会社フェリシオンジャパン代表の奥村美里氏の著書、『たった4時間でどんな相手とでも英語が話せる6つのルール』(かんき出版)より一部を抜粋し、たった4時間で英語会話ができるようになる、「大人のための5歳児英語」を紹介します。

すぐに英語で言いかえず、まずは簡単な日本語に

 ルール1  そもそも何が言いたいのか?を考える

 

イラスト:松本麻希

 

前回、「カンタンな英語に言いかえる」ことが大前提というお話をしました(関連記事『どんな相手とも英会話が可能に!? 大人のための5歳児英語とは?』参照)。これができるようになると、新しく英単語を覚えることなく今の自分の英語力を生かして会話ができるようになります。

 

ただし「言いかえ」の際は、くれぐれもすぐに英語で言いかえようとしないでくださいね。下記のように段階を踏んで言いかえましょう。

 

ステップ1 そもそも何が言いたいのか?を考える

ステップ2  (5歳児にもわかる)カンタンな日本語にする

ステップ3 それを英語にする

 

このステップ1にあたる「そもそも何が言いたいのか?を考える」こそが、「大人のための5歳児英語」の最重要ポイントです。

 

日本語特有の言い回しやことわざ、熟語表現などに振り回されず、自分が何を言いたいのかという原点に常に立ち返る習慣をつけてください。

 

では、下記の例文を一緒に考えていきましょう。

 

・彼女は苦しい胸中を吐露した。

 

えっ? 「苦しい胸中」って? 「吐露」って? 英語でなんて言うんだろう?

 

一瞬、そう思ってあせってしまいますよね。でも、大丈夫! ここで「そもそも何が言いたいの?」と考えてみてください。何が言いたいのかというと・・・、つまりはこういうことですよね。

 

・彼女は困っていることがあった。それを話した。

 

困っていること=問題(problem)ですね。では、言いかえてみましょう。

 

彼女は困っていることがあった。それを話した。
She had some problems. She talked about them.

 

のちほど、お伝えしますが、正解は1つとは限りません。相手に伝わればいいので何通りにも表現できます。上記の例文では、困っていることがあった=心配していた(was worried)でもいいですね。

 

彼女は心配していた。それについて話した。
She was worried. She talked about it.

 

上記のように言いかえてもOKです。

常に「そもそも何が言いたいの?」と考える習慣を

常に「そもそも何が言いたいの?」と考える習慣を身につけるようにしましょう。もう1つ、練習してみましょう。

 

・せっかくのご招待なのに残念です。

 

 ヒント 

 

「ご招待」「残念」という言葉を直訳しようとする気持ちをおさえて、まずは「そもそも何が言いたいの?」と考えてみましょう。たとえば、「招待してくれてありがとう。でも行けないんです」とか、「本当は行きたいのに行けないんです」ということが言いたいんだな、というところまでたどり着きましたか?

 

答え

招待してくれてありがとう。でも行けないんです。
Thank you for your invitation. But I can’t go.
とても行きたいんだけど、行けないんだ。
I really want to go, but I can’t.

 

「そもそも何が言いたいの?」――私はこれを魔法の質問と呼んでいます。

 

常に自分に問いかけ、考える習慣を身につけることで、回りくどい言い方や過剰な丁寧語の文章にふれたときも、あせらず「本質」を見きわめることができるようになります。

 

 Point 

 

頭の中で常に「そもそも何が言いたいの?」と考えるクセをつけよう!

 

 

奥村 美里

株式会社フェリシオンジャパン代表

 

イラスト:松本麻希

たった4時間でどんな相手とでも英語が話せる6つのルール

たった4時間でどんな相手とでも英語が話せる6つのルール

奥村 美里

かんき出版

たった4時間で、英語は話せるようになります! 今、あなたが持っている英語力でOK! 英単語、イディオム、文法を知らなくても大丈夫!

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