子どもの自尊心と英語力を育てる授業“SHOW&TELL”とは?

今回は、子どものバイリンガル教育に「体験型学習」が有効な理由を見ていきます。※本連載では、英語保育園(プリスクール)の創立者が、自身の運営する英語保育園で実施しているバイリンガル教育の一部を紹介します。

実験結果を想像することで「考える力」を育てる

筆者は「英語」を通じて、さまざまなことを子どもたちに教えていきたいと考えています。特に伝えていきたいのは、「物事を見る視点」と「感じる力」、そして、「考える力」です。考える力を育むために、さまざまなアクティビティーを実践しますが、サイエンスの時間も実験優先で授業が進みます。

 

例えば、「冷たい水と熱いお湯、氷を同時に入れたらどちらのほうが早く溶ける?」という質問を子どもに投げかけて、実際に実験をしてみます。大人にとっては簡単な問題ですが、そんなことを考えたこともない子どもにとっては難しい質問です。実際、「水」と「お湯」と意見は二つに分かれました。

 

ここで大切なのは、「なぜ、そう思うか」。「水のほうが早く溶ける」と考えた子どもは「氷は水からできているから」「家で飲むジュースの氷は早く溶けるから」などと理由を言いました。対して「お湯のほうが早く溶ける」と答えた子どもは「暑いとなんでも溶けるから」「冷蔵庫から出したアイスクリームが溶けたから」などの理由を言います。友達の意見を聞いて、最初の答えを変える子どももいます。

 

そのうえでの実験です。結果、熱いお湯のほうが氷は早く溶けます。子どもたちは「へぇ〜」と思うのです。

 

まずは自分の意見を考えてもらい、それを言葉にして、結果(結論)を知る。このプロセスが非常に大事です。これは、日本では珍しい学習アプローチですが、欧米ではスタンダード。結果を覚えるだけではなく、結果を想像し、考え、それを言葉で表現する・・・。「考える訓練」とは、そういうことになります。

 

ほかにも「どんなものが水に浮いて、なにが沈むか」や「紙コップをピラミッド型に何百個も積み上げていちばん端の紙コップを外すと、どんなことが起こるか」の実験など、難しい実験ではなく、子どもの興味を刺激するテーマを選ぶことも大事です。必ず、実験の前に結果を想像して、意見を言ってもらう。そして実験、結果を知るというプロセスを繰り返します。

 

例えば「どんなものが水に浮いて、なにが沈むか」の実験をしているときに、教室にあるさまざまなものを「これも入れてみよう」と持ってくる子どもがいたり、自宅のお風呂でスポンジやタオルやシャンプーのボトルを湯船に入れて「これは沈む、これは沈まない」と言っている子どもがいるとも聞きました。これは、一つの実験が子どもたちの好奇心のスイッチを入れた結果です。

 

こうして、子どもたちの「好奇心」や「考える力」「物事を見る視点」が成長します。

各国の行事・文化に触れ、グローバルな感覚を養う

英語を身に付けるためには、英語圏の国々の文化を知ることも大事です。同時に日本人のアイデンティティーを育むためには、日本の文化も学んでほしいと考えました。

 

例えば春は「節分」「ひなまつり」「イースター」「母の日」、夏は「父の日」「七夕」、秋は「ハロウィン」「サンクスギビング」、冬は「クリスマス」など、日本を含む世界各国の特徴ある行事を体験することで、子どもたちの感性は刺激され、同時に世界の国々の文化について知ることもできます。

 

[図表1]イベントの様子

 

特に日本以外の国のイベントに子どもたちは興味津々。春のイースターでは、園庭や近くの公園で手作りのバスケットを持って、うさぎになりきり、エッグハンティングをします。色とりどりの卵は保育士や講師が隠します。

 

秋のハロウィンは子どもたちの大好きなイベント。思い思いの仮装をして、スクールのご近所に「Trick or Treat」と言いながらお菓子をもらい歩きます。冬のクリスマスは1年間で最大イベント。クラスごとに合唱や英語劇などを発表し、最後にはサンタクロースからのプレゼントタイムもあります。

 

こうした季節のイベントを通じて、子どもたちは外国の子どもたちと同じ体験ができます。同時にイベントの意味や手法にも興味を覚えます。

 

例えば「サンクスギビング」は、イギリスからアメリカに渡った清教徒(ピルグリム)たちが、アメリカでの最初の作物の収穫に感謝し、冬を越す知恵を授けてくれたネイティブアメリカンを招待して宴をしたことから始まったもの。現在でも家族が集まって七面鳥のローストをはじめとしたご馳走を囲み、収穫に感謝する、アメリカ最大のイベントです。

 

イベントの意味や手法を知ることで、自然と「roast turkey(ローストターキー)」や「corn bread(コーンブレッド)」などの食べ物や「harvest(ハーベスト・収穫)」や「pilgrim(ピルグリム)」などのキーワード、「say grace(祈りをささげる)」や「give thanks(感謝する)」などの関連ワードも覚えていきます。

 

イースターやハロウィン、サンクスギビングなど、世界中の多くの人々が知るビッグイベント以外にも、オーストラリアのお祭りやカナダのお祭りなど、それぞれの国の講師たちが企画して子どもたちに紹介しています。こうしたイベントを経験することで、グローバルな感覚が育てられるのです。

「耳を傾けてもらう」経験が、自尊心をはぐくむ

日本人の苦手なことにスピーチがあります。大勢の前で話をすることに慣れていないことも原因の一つでしょう。自己主張が苦手なことも原因だと感じます。そもそも欧米のように学校教育のなかでスピーチやプレゼンテクニックを学ぶことがなく、日本語のスピーチも苦手なのですから、英語のそれとなればお手上げです。

 

しかし、スピーチやプレゼンができなければグローバルな社会では生き残っていけません。人前で話をすることは、経験することで上達します。

 

そこで”SHOW&TELL”という時間を設けました。

 

これは、子ども一人ひとりに「今日はあなたの日」と決めて、誰もが主役になれる時間を設けます。3歳児では、自分が好きなおもちゃを自宅から持ってきていい日。そして、そのおもちゃをみんなの前で自慢します。

 

まだ英語がうまく話せない子どもも自分の好きなおもちゃの自慢となれば別です。少ない語彙を駆使して、皆に説明する姿は誇りに満ちています。足りない部分は外国人講師が上手に質問をして、子どもたちが伝えたいことをうまく言えるように導きます。4歳児にも同じように自分の時間を与えて好きなことを話すようにしてもらっています。

 

[図表2]“SHOW & TELL”は順番制

カレンダーに名前を記載し、発表日が分かるようにしている
カレンダーに名前を記載し、発表日が分かるようにしている

 

一方、5歳児になると、テーマを与えて3分間スピーチをします。子どもたちを立派だと思うのは、発表までにテーマについて自分なりにきちんと調べてスピーチをより充実したものに仕上げてくること。たどたどしく自分のおもちゃを自慢していた子どもたちが、一つのテーマに対して考察も含めてスピーチする姿には感動します。話し出すと3分間では足りない子どもも続出して、3年間の成長が分かる一瞬でもあります。

 

この”SHOW&TELL”を子どもたちは楽しみにしていると保護者から聞きました。内気でおとなしい子も同様です。子どもたちは自分が注目を浴びることが大好き。大人も子どももみんなが自分の話に耳を傾けてくれる経験は、自尊心を生みます。

 

子どもの成長にとって大切なことはいくつもありますが、自尊心を育てること、いわゆる「自分を愛せる心」「自分を信じる力」を育てることは非常に大切です。

 

株式会社キンダーキッズ 代表取締役

1968年兵庫県生まれ。大学卒業後、カナダ留学の経験を活かし英会話スクールにて営業・運営を担当。その後、結婚・出産を経て、自身の子どもに英語を学ばせたいという想いをきっかけに、2000年に英語保育園(プリスクール)「株式会社キンダーキッズ」を設立。日本人としてのアイデンティティーをしっかり意識しながら、国際的な広い視野と高い英語力を持ち合わせた子どもの育成を目標に、学年別少人数制の幅広い保育を行う。現在、日本国内に21校、カナダに1校、2018年11月にハワイ校がオープン予定など急成長を遂げている。

著者紹介

連載超人気「英語保育園」の経営者が教える、わが子をバイリンガルに育てるヒント

奇跡の英語保育園

奇跡の英語保育園

中山 貴美子

幻冬舎メディアコンサルティング

卒園時にはネイティブの小学2年生レベルまで英語力が向上! 専業主婦がたった一人で立ち上げた「英語保育園」は瞬く間に反響を呼び海外展開にまで発展するほどの超人気校に!その理由とは・・・⁉︎ 英会話でのコミュニ…

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