市場規模が小さく、ニュースによる価格変動が大きい
株や債券などに加え、新たな投資の選択肢として注目を集めている「仮想通貨」。今回は、仮想通貨の情報収集をテーマに解説します。
株式投資などで使われる価格チャートから値動きを判断する「テクニカル分析」は、仮想通貨投資でも、特に出来高の大きなビットコインでは盛んに用いられています。ほかにも、金融商品を取り巻く情勢、ニュース、発表などの情報を入手・分析し、値動きの判断材料とする「ファンダメンタルズ分析」も仮想通貨投資においては特に重要です。
近年、仮想通貨市場は爆発的な成長をみせました。仮想通貨取引所のテレビCMを見たことのある方も少なくないと思います。とはいえ、株や債権、為替といった従来の市場から比べれば、まだまだ規模は小さく、かつ脆弱です。市場規模が小さいことから、大国の規制や大企業からの技術採用といったニュースによって価格が大きく動きます。
特に、ビットコインは国家によらない通貨として存在するため、ある種のアナーキーな思想をはらんでいます。たとえば、もし「大国がビットコイン取引を法的に禁止する」などというニュースが出たら、価格への影響は避けられないでしょう。また、仮想通貨・ブロックチェーン技術自体の開発が現在進行系で未発達なことから、予期せぬ脆弱性が見つかったり、ハッキングを受けたりすることもあります。
ネガティブなものだけでなく、大企業がある仮想通貨プロジェクトを技術採用した、といったニュースも価格上昇の要因となり得ます。仮想通貨を取り巻く情報をいち早く入手することは、利益のため、リスク回避のための両面で重要なのです。
複数の情報源をこまめにチェックし、情報収集を
仮想通貨の情報収集において、まずはビットコインやアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)がどのようなプロジェクトであるのかを知り、その通貨の性質を概略でも把握しておきましょう。そうすれば、開発進捗の発表やニュースなども自分の中でスムーズに判断できるかと思います。
そのためにはまず、自分が目をつけた仮想通貨のホームページと「ホワイトペーパー」と呼ばれる「そのプロジェクトがどんな課題を解決し、何を目指すのか」が書かれた目論見書に目を通しましょう(ほとんどの場合、ホワイトペーパーは各通貨のホームページから閲覧可能です)。
加えて、プロジェクトからの発表や国家規制のニュースなどを見逃さないよう、複数のニュースサイトなどをブックマークし、こまめにチェックしましょう。誤情報も蔓延しているため、必ず複数の情報ソースから確認を取ることが重要です。
また、TwitterやReddit、Facebookといった各種SNSにおける仮想通貨の公式アカウントや、ニュースサイトのアカウント、仮想通貨の情報を発信している人のアカウントなどをフォローしておきましょう。情報の精度は劣るものの、手軽に書き込んだり呟いたりできるSNSだからこそ、いち早く情報を入手できることもあります。
これらの情報源を定期的に確認し、日々情報収集を行っていきましょう。
ニルス
サイト制作、WEB広告、画像編集などを含む何でも屋事務員として働くサラリーマン