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国際化が進む今も残る、東南アジア諸国それぞれの特色

今回は、東南アジアの現状と特色について解説します。※本連載は、風戸裕樹氏の著書『初心者のための東南アジア投資ガイド 2018 プロが教える5カ国の不動産投資環境(タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア)』(インターメディアジャパン株式会社)から一部を抜粋し、東南アジアへの投資について解説します。

文化面では各国の独自性が際立つ部分も

年来外国人と交流してきたことより、東南アジアの人々は出身がどこであるかなど関係なく来訪者に対しますますオープンで歓迎的になり、敬意を表すようになった。実際、西洋人は東南アジアの多くの国でジョーやプティ (白人) など、その他色々なあだ名で呼ばれ親しまれている。フィリピン人の中には白人をひとまとめにして「カーノ」と呼ぶ人もいる。これは「アメリカーノ (アメリカ人) 」を省略したもので、出身がカナダでもオーストラリアでもイギリスでも関係なく皆カーノだ。かつてはヨーロッパの支配下にあった東南アジアだが、今ではそうした関係性は対等なものへと進化し、旅行や結婚のためにやってくる外国人も暖かく迎え入れられている。以前にも増してオープンになったことで北アジア (中国、韓国、日本) から多くの人が新たに移り住み、それぞれの国籍に応じたコミュニティが生まれた。

 

絶えず異国と関わりを持ち、過去に色々なことを経験してきた東南アジア諸国とその人々は、とめどなくやってくる様々な人々の需要にさらに意欲的に応えるようになっている。あらゆる人種や国籍の人がその国々を経て入ってきているため、慣れるのにも苦労していないようだ。マレーシアはユーラシア人、マレー人、中国人、インド人にとって敷居の低い国だ。顔立ちが似ていれば溶け込むのも非常に簡単であることは想像に難くない。だがかつてイギリスの植民地だったマレーシアは今でもイギリスの人々を魅了して止まない。同じ理由でフランス人はベトナムを、アメリカ人はフィリピンを訪れている。

 

もちろん課題もある。実にたくさんの言語があるため、同じ国の中で意思の疎通ができないのはさほど珍しくもないことだ。全く異なる地方言語は、言語の異なる地域同士が完全に統一されてしまうことを防ぐ役目も担ってきた。それは根底にある地域のプライドと個性の表れだ。マレーシアやシンガポールなど、様々な人種が一緒に暮らさなければならないような国では、いまだ明確な分離に固執し、民族ごとでかたまっている。例えばインド系マレーシア人は正真正銘マレーシア人だが、インドのある地域の文化を高く評価している民族だ。つまり英語、マレー語、ヒンドゥー語、タミル語、その他のインドの言語を話せるケースが多い。同様に中華系マレーシア人も大半が英語、マレー語、福建語、北京語を話すことができる。

 

また、東南アジアの人々は信仰のこととなるとかなり熱心だ。例えば、ベトナムは厳密にはまだ社会主義国だが、非常に敬けんで積極的なキリスト教信者がいたりする。その一方でカンボジアやタイのような国では仏教信仰が非常に厚い。カンボジアではヒンドゥー教のルーツを建造物や歴史的記念物で簡単に見つけることができる。アンコールワットが分かりやすい例だ。この寺院はヒンドゥー教のために建てられたものだが、今では仏教の祈りの場と化している。タイでは他のアジアの地域で信仰されている大乗仏教とは大きく異なる上座部仏教が信仰されており、地元の人の信仰を普段から目にすることができる。タイの男性はたとえ王族でも一度は出家しなければならず、また僧侶になると来る日も来る日も托鉢をしなければならない。そんな事実に観光客はしばしば驚かされる。同様に、伝統的な袈裟を着た僧侶が携帯電話やタブレットといった現代的なテクノロジーをいじるといった光景もかなりおもしろいと思うかもしれない。

 

東南アジアの人々は近隣諸国を度々観光してはご近所の暮らしぶりを見ているはずなのに文化の面で全く似ていなかったりする。格安航空会社の格安運賃が台頭し、由緒ある航空会社が価格競争を強いられ、お値打ちなパッケージ旅行を打ち出すなど、ますます多くの人が旅行できるようになっている。これによりこの地域の人々は、近隣諸国と似ている部分も多々あればまったく異なる部分もあるということをより身近に、より深く認識し始めている。

熱帯・亜熱帯特有の気候がもたらす恩恵

東南アジアは中国の南側、そしてインドの東側に位置する。アジア大陸に属する国もあれば南や東に向かって広がる島国もある。アジア大陸の南端にマレー半島があり、マレーシアと「小さな赤い点」のシンガポールはそこに位置する。カンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、ミャンマーは本土にあり、マレーシアとインドネシアとフィリピンは島国だ。

 

[図表]東南アジアの地勢


東南アジア地域は熱帯または亜熱帯に属し、雨量が多い。程度に差はあるがほとんどの国がモンスーンの影響を受け、定期的に豪雨や洪水に見舞われる。面白いことに東南アジアの特徴ともいえる豊かな緑を作り出しているのもこの雨だ。雨季には生命に満ち溢れた緑の風景が広がる。この豊かな植物は東南アジアの生活になくてはならないものだ。水も緑もない、乾いた砂漠とは無縁で、仮にそうなれば恐ろしい事態だ。

 

のどの渇きを癒す以外にも水は東南アジアにとって非常に大切なものだ。大陸の国々にとって川は輸送や農業、その他色々な働きをするものであり、生活に欠かせないものとなっている。例えばチベット高原から流れてくるメコン川。ミャンマー、ラオス、カンボジア、タイ、ベトナムを流れ、そこに住む人々の主要道路となっている。この川のおかげでこれらの国の間で盛んに交流が行われてきた。

Property Access 株式会社 CEO 創業者

2004年、早稲田大学商学部卒業。不動産仲介、不動産投資ファンドの購入担当を経て、2010年、不動産仲介透明化フォーラム(FCT)を設立。米国型の売却エージェントサービス「売却のミカタ」を開始し、全国展開。2014年にソニー不動産にFCT社を売却、その後、ソニー不動産で営業を開始。ソニー不動産の執行役員、売却コンサルティング事業部長兼コンサルティング事業部長として創業に携わるとともに事業を拡大、不動産取引の透明化を加速。2017年、シンガポールにてProperty Access 株式会社を共同創業。日本では不動産売買の専門家として広く知られる。
著書に、『マンションを相場より高く売る方法』(ファーストプレス、共著)、『初心者のための東南アジア投資ガイド2018』(インターメディアジャパン株式会社)がある。

著者紹介

連載シンガポール在住のプロが教える「東南アジア不動産投資」の基礎知識

 

初心者のための東南アジア投資ガイド 2018

初心者のための東南アジア投資ガイド 2018

風戸 裕樹

インターメディアジャパン株式会社

海外投資はリスク? それともチャンス? 日本の不動産のプロである風戸裕樹が東南アジアを1年間飛び回り調査。初めての海外投資の前に伝えておきたいことを公開。 各国の不動産投資規制や税制、価格比較つき!

 

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