今回は、日本の少子高齢化問題が国内の不動産市場に及ぼす影響等について見ていきます。※本連載は、風戸裕樹氏の著書『初心者のための東南アジア投資ガイド 2018 プロが教える5カ国の不動産投資環境(タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア)』(インターメディアジャパン株式会社)から一部を抜粋し、東南アジアへの投資について解説します

外国人から見ても、日本の不動産の投資性は高くない!?

不動産投資を検討しているなら、外国人からすると日本という国は投資性の高い選択肢ではないのかもしれない。それに物件の資産価格は新築の時が一番高い。相当額の投資利益をある程度の期間で得るのが良い投資と言える。

 

これには様々な理由がある。日本の年齢別人口を見てみるとシニア世代の割合が多く、このことが老いも若きも多くの人の問題となっている。この数十年間、子供が満足に生まれていない。そのつけが我々に回ってきているのだ。若年就業人口は他国と比べて少なく、年齢別人口における若者世代の割合はますます減っている。

 

その結果、自由に使える収入があるような強い物質的欲求を持った人など滅多にいない。海外で働きたいという日本の若者がますます増えていることも原因のひとつだ。

 

[図表1]日本の人口ピラミッド

資料:「平成27年(2015年)国勢調査(抽出速報集計)」(総務省統計局)
資料:「平成27年(2015年)国勢調査(抽出速報集計)」(総務省統計局)

 

[図表2]

将来の保証を探し、外に目を向け始めた日本の若者

上の世代はどうだろう? 定年を目前に控えた人々は年金を心待ちにしている。彼らの場合、開始時期になれば政府から年金が支給されるだろう。だが、ある日無一文にならないようにするためにそのお金をどこに注ぎこむべきかは疑問のままだ。もう一度言うが、これは投資の問題だ。彼らはどうにかして何かに投資できるようにならなければならない。晩年に必要となる食べ物、薬、住宅、洋服、娯楽のためのお金を残しておくために。

 

年金に関し若者はさらに大きな問題を抱えているかもしれない。彼らは将来のために計画や準備をしながら人生を楽しみたいと思っている。若年就業人口が少ないため、その世代に年金を支給するに足る財源がない可能性がある。このことが若者をますます不安にさせている。年金は税金や控除で賄われている。労働人口つまり納税者の数が少なければ政府による税金徴収や様々な控除の額は然るべきほど増えないだろう。

 

定年を迎えた時に年金がもらえるかどうか、人々は既に心配している。これに対する取り組みが行われているようだ。だが恐らくそれは万人に本当に受け入れられるような方法ではない。現在、65歳で定年退職し年金を受け取ることができるが、今の若い労働世代が年金を必要とする頃には不足する可能性がある。そこで政府は受給年齢を75歳まで引き上げることに決め、年金機構にはより大きく成長するための時間が与えられた。

 

今の若者がもうそれほど若くなくなり、やがて年金が必要になる頃、満足に生活できるお金がないという状況は十分にあり得る。彼らの場合、もう少し待たなくてはならない。あと10年ぐらい。

 

それ故、多くの若者が将来を保証できるような場所がないかと外に目を向け始めているのだ。今のように60代半ばで定年退職できるよう、また年金が支給されないことを心配せずに済むよう、彼らはコントロール且つ予測可能な投資機会を求めている。問題は、何に投資すべきかだ。

初心者のための東南アジア投資ガイド 2018

初心者のための東南アジア投資ガイド 2018

風戸 裕樹

インターメディアジャパン株式会社

海外投資はリスク? それともチャンス? 日本の不動産のプロである風戸裕樹が東南アジアを1年間飛び回り調査。初めての海外投資の前に伝えておきたいことを公開。 各国の不動産投資規制や税制、価格比較つき!

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