今回は、腕時計投資の成否を握る、買い取り店探しのポイントを見ていきます。※本連載は、藤原FP事務所/藤原アセットプランニング合同会社・代表の藤原久敏氏の著書、『現役FPのしくじり体験から学ぶ 月15万円を確実に稼ぐ守りの投資術』(鉄人社)の中から一部を抜粋し、お金の専門家である著者の投資で失敗したしくじり体験から、今後の投資に活かす教訓や対策を見ていきます。

店によって大きく変わる「買取価格」

前回に引き続き、しくじりポイントを見ていきます。

 

③腕時計の買取店を見つけるのに、とても苦労しました。

 

腕時計に限らず、現物投資の難しさは、「どこで売るのか」にもあります。なぜなら、株式や為替と違って取引所がないので、「どこで売るのか」によって、買取価格は大きく変わってくるからです。

 

同じモノを同じタイミングで売っても、買取店によって、さらには担当者によって、さらには売る人の属性(売り慣れている人か慣れていない人か、交渉できる人かできない人か、常連か一見さんか、など)によっても大きな差が出てくるのです。

 

メジャーなブランド(商品)であれば、買取相場は、ある程度はネット等で調べることができます。

 

しかし、実際に買い取ってもらう「個体(その状態は一つ一つ違う)」がどう評価されるかは、現場での判断となります。買取相場はあくまでも目安であって、実際に買い取ってもらうときには、(少しでも高く査定してもらうべく)店選びに加えて、相応の知識・経験も必要とされるわけです。

 

なので、まずは信頼できる買取店、安心して任せられる担当者をしっかり確保してから、そしてできれば、自身も相応の知識・経験を身につけてから、満を持して買うべきだったのです。

 

しかし私は、売るときのことをまったく何も考えないままに、興味の赴くままに、先走って買ってしまったわけで、それが今回のしくじりだったのです。

 

そして、いざ、買い取ってもらおうとしたとき、初めて、「売ること」について、何の情報も知識・経験もないことを痛感するのでした。そんな手探りの中、「どこで売るのか」などによって買取価格が(思っていた以上に)大きく変わることを知って、買い叩かれたらどうしよう・・・と不安が頭をよぎるのでした。

 

そして慌てていろいろ調べるも、結局、よく分からないまま、体験談にあるように、場違いなホストクラブまがい(?)の買取店にたどり着いてしまい、非常に居心地の悪い思いをしたわけです。

 

さて、その買取店で提示された買取価格には、到底納得がいきませんでした。

 

今思えば、提示された買取価格は相場程度ではあったのですが、当時、知識・経験の少なかった私は、その店舗や担当者のケバケバしい雰囲気もあって、これはボッタクリではと、不信感で一杯だったのでした。

 

なので、これは他の買取店にも足を運んで、複数の店で査定してもらわねば・・・と思うも、まったく売らずに退店できる雰囲気ではなく(待合室で紅茶とクッキーの接待も受けていた負い目もあって)、とりあえずは、ブレラオロロジだけを1万円で買い取ってもらったのでした。たった1枚のピン札が、まるで嫌味かの如く、やたら豪華なトレイにポツンと乗せられ、目の前に差し出されました。

 

これには、他の買取店だったら、もう少し高い値段で買い取ってくれたのではないか・・・と悶々とした気持ちが残ってしまうのでした。

 

なので、いつかロレックスを売るときは、納得できる買取店をしっかり見つけてからにしようと、現在、ネットや雑誌、そして実際に足を運んで、様々な買取店をリサーチ中です。腕時計販売店でも中古買取をやっているところも多いので、普段よく行く販売店では、積極的に買取のことを店員さんに聞いております。そうやって店員さんと仲良くなっておけば、買取価格にも色を付けてもらえるかな・・・との下心もあって。

 

本・雑誌を買い漁り、腕時計について勉強しました。
本・雑誌を買い漁り、腕時計について勉強しました。

投資なのか趣味なのか、スタンスをはっきりさせる

ロレックスともなれば高額なので、そんなちょっとしたことで、買取価格が数万円変わってくることも十分あり得ます。今度は後悔したくないので、焦らずに、じっくり探してから、満を持して売りたいと思っております。それまでは大切に保管しつつ、腕時計そのものを身につけて、楽しみながら・・・。

 

そうです、商品そのものを楽しめること・・・それが現物投資(腕時計に限らず、車・絵画・骨董品・・・など)の大きなメリットですね。

 

でも、投資というスタンスにおいては、それ(商品そのものを楽しめること)はあくまでも「おまけ」であることを忘れてはいけません。中途半端に「所有の楽しみ」、つまり趣味の視点が入ってくると、「しくじり①」をやらかしてしまうことでしょうから。

 

逆に、もし所有を楽しむスタンスであるのなら、それは完全に、趣味と割り切って選ぶべきです。そこで中途半端に「投資の視点(美人投票)」を入れてしまうと、本当に自分の気に入ったモノを選ぶことができなくなり、その腕時計を見るたび、後悔することになるでしょうから。

 

このように、腕時計のような現物を購入する場合は、目的が「投資」なのか「所有(趣味)」なのか、スタンスをはっきりさせることが大切だということです。

 

先日、ガガミラノというブランド時計を、定価20万円超のところを10万円以下で買いました(上手く買えたと自画自賛)。

 

ただ、これは中途半端な価格帯でして、しかも相当な割り引きをされているわけですから、投資としては期待薄ですね(第8回参照)。しかし私は、これは完全に趣味と割り切っており、完全に自分好みのデザインを選ぶことができて、大満足しております。なお投資スタンスとしては、今、狙っているのは、ロレックス(サブマリーナ)かパテック フィリップ(ノーチラス)です。

 

●まとめ

→買取相場はネットで調べられるが、実際の「個体」がどう評価されるかは現場判断

→店によっては、客が売るまで退店させないよう、接待してくるケースもあるので要注意

→自分も知識、経験を身につけることに加えて、信頼できる買取店を見つけることが大切

現役FPのしくじり体験から学ぶ 月15万円を確実に稼ぐ 守りの投資術

現役FPのしくじり体験から学ぶ 月15万円を確実に稼ぐ 守りの投資術

藤原 久敏

鉄人社

アベノミクス急騰初動で投資資産を引き上げる、リーマン・ショックで資産半減、IPOでハズレ銘柄を掴む、腕時計投資が元本割れ、FXで大損・・・etc.失敗の中に成功のカギがある。

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