クオカード等の優待は、企業側の負担が大きい
前回に引き続き、しくじりポイントを見ていきます。
④クオカードが年間2~3千円分もらえました。当然、大いに魅力を感じて購入しましたが
クオカードは使い勝手が良く、株主優待の中でも、常に人気上位です。金券ショップでも、額面に近い価格で買い取ってくれるので、ほぼ現金扱いと言ってもよいでしょう。これが買物券や食事券だと、いいところ額面の8掛け、中には3掛け程度なので、とても重宝するわけです。
と、我々株主にとってはありがたいのですが、これは、企業にとっては大きな負担です。なぜなら、自社商品や買物券(食事券)などが優待の場合、その実質的な負担は「原価」ですが、クオカードや商品券の場合は、額面金額がそのまま負担額(出費)となるからです。また、自社商品や買物券(食事券)などは、宣伝・集客効果も見込めますが、クオカードや商品券ではそういった効果は見込めません。もっとも、券面には企業ロゴが入っていたりもしますが、どれだけの効果があることやら・・・。
そうです、繰り返しますが、クオカード等の優待は、企業にとっては大きな負担なのです。ということは・・・そう、優待改悪、そして優待廃止になる可能性が、他の優待に比べて高いということなのです。
なので、クオカード等を優待にしている企業については、より吟味が必要となるのです。
自社商品・サービスと直接関係ない優待も要注意
それなのに、クオカードという使い勝手のいい優待に惹かれ、そして、優待利回りの高さ(4~5%)にも惹かれて、株価もお手頃だったこともあって、勢いで買ってしまった点が、今回のしくじりでした。
ちなみにクオカード等を優待にしているのは、外食や小売業と違って、自社商品やサービスを優待にしづらい企業が多くなっています。実際、今回のTHEグローバル社やイーグランドは、いずれもマンション分譲会社です。
今回のしくじりから、今では、クオカードや商品券に限らず、その企業の商品やサービスとは直接関係のない優待を実施しているところにも、注意を払うようになりました。具体的には、米・水・カタログギフトなどの優待も、要注意と言ってもよいでしょう。
最後に・・・株主優待は日本独特の制度で、3社に1社が実施しているとも言われ、優待ファンも多く(私もその一人)、銘柄選びの大きな要素にもなっています。
しかし、突然の優待改悪・廃止など、様々なリスクがあることを踏まえ、優待だけに心奪われず、上手に付き合っていきたいものですね。
●まとめ
→クオカードや商品券などは企業にとっても大きな負担で、自然と優待改悪、優待廃止になる可能性が高くなる
→その企業の商品やサービスと直接関係ない優待を実施しているところも要注意
→突然の優待改悪・廃止もあるので、優待だけに心を奪われないように