今回は、クオカードや商品券などの株主優待に注意が必要な理由を見ていきます。※本連載は、藤原FP事務所/藤原アセットプランニング合同会社・代表の藤原久敏氏の著書、『現役FPのしくじり体験から学ぶ 月15万円を確実に稼ぐ守りの投資術』(鉄人社)の中から一部を抜粋し、お金の専門家である著者の投資で失敗したしくじり体験から、今後の投資に活かす教訓や対策を見ていきます。

クオカード等の優待は、企業側の負担が大きい

前回に引き続き、しくじりポイントを見ていきます。

 

④クオカードが年間2~3千円分もらえました。当然、大いに魅力を感じて購入しましたが

 

クオカードは使い勝手が良く、株主優待の中でも、常に人気上位です。金券ショップでも、額面に近い価格で買い取ってくれるので、ほぼ現金扱いと言ってもよいでしょう。これが買物券や食事券だと、いいところ額面の8掛け、中には3掛け程度なので、とても重宝するわけです。

 

と、我々株主にとってはありがたいのですが、これは、企業にとっては大きな負担です。なぜなら、自社商品や買物券(食事券)などが優待の場合、その実質的な負担は「原価」ですが、クオカードや商品券の場合は、額面金額がそのまま負担額(出費)となるからです。また、自社商品や買物券(食事券)などは、宣伝・集客効果も見込めますが、クオカードや商品券ではそういった効果は見込めません。もっとも、券面には企業ロゴが入っていたりもしますが、どれだけの効果があることやら・・・。

 

そうです、繰り返しますが、クオカード等の優待は、企業にとっては大きな負担なのです。ということは・・・そう、優待改悪、そして優待廃止になる可能性が、他の優待に比べて高いということなのです。

 

なので、クオカード等を優待にしている企業については、より吟味が必要となるのです。

自社商品・サービスと直接関係ない優待も要注意

それなのに、クオカードという使い勝手のいい優待に惹かれ、そして、優待利回りの高さ(4~5%)にも惹かれて、株価もお手頃だったこともあって、勢いで買ってしまった点が、今回のしくじりでした。

 

ちなみにクオカード等を優待にしているのは、外食や小売業と違って、自社商品やサービスを優待にしづらい企業が多くなっています。実際、今回のTHEグローバル社やイーグランドは、いずれもマンション分譲会社です。

 

今回のしくじりから、今では、クオカードや商品券に限らず、その企業の商品やサービスとは直接関係のない優待を実施しているところにも、注意を払うようになりました。具体的には、米・水・カタログギフトなどの優待も、要注意と言ってもよいでしょう。

 

最後に・・・株主優待は日本独特の制度で、3社に1社が実施しているとも言われ、優待ファンも多く(私もその一人)、銘柄選びの大きな要素にもなっています。

 

しかし、突然の優待改悪・廃止など、様々なリスクがあることを踏まえ、優待だけに心奪われず、上手に付き合っていきたいものですね。

 

●まとめ

→クオカードや商品券などは企業にとっても大きな負担で、自然と優待改悪、優待廃止になる可能性が高くなる

→その企業の商品やサービスと直接関係ない優待を実施しているところも要注意

→突然の優待改悪・廃止もあるので、優待だけに心を奪われないように

現役FPのしくじり体験から学ぶ 月15万円を確実に稼ぐ 守りの投資術

現役FPのしくじり体験から学ぶ 月15万円を確実に稼ぐ 守りの投資術

藤原 久敏

鉄人社

アベノミクス急騰初動で投資資産を引き上げる、リーマン・ショックで資産半減、IPOでハズレ銘柄を掴む、腕時計投資が元本割れ、FXで大損・・・etc.失敗の中に成功のカギがある。

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