腕時計投資で重要なのは本体価値より「ブランド価値」
前回に引き続き、しくじりポイントを見ていきます。
②10万円程度の「ブレラオロロジ」や「オリエント」といったお手軽かつお値打ちなブランド時計を買ったのでした。
コストパフォーマンスでいうと、10万円~30万円程度の機械式時計が、一番優れています(諸説あり)。
腕時計という「商品そのもの」と、その「価格」を比べれば、100万円を超えるような高級時計よりも、はるかにお買い得なのです。
ブランドでいえば、オリス、ロンジン、ボール・ウォッチ、タグ・ホイヤーあたりが、その価格帯を得意としています。そういった定評のあるブランドの、作りの良いモノであれば、100万円超の腕時計と比べても、腕時計の質はさほど遜色ありません(実際、原価はそれほど変わらないらしい)。
100万円を超えるような高級腕時計は、ブランド価値が高いのです。
もっとも、そのブランドイメージを作り上げる&維持するため、高級な店舗、上質な接客、諸々の宣伝やスポンサー契約などに、相当な費用を使っているわけですが。
そして、投資という視点から見れば、そのブランド価値部分が、重要なのです。
なので、メジャーなブランドの一定水準以上(一般には最低50万円以上)の高級腕時計でないと、投資対象とはなりにくいのです。
10万円~30万円程度の、腕時計という商品としては一番お買い得な価格帯が、投資としては、一番中途半端でもったいないのです。投資の視点では、腕時計そのものよりも、ブランド価値という目に見えない「付加価値」部分が投資対象となるわけですから。
また、メジャーなブランド(ロレックスなど)であれば、ネットや雑誌等で、すぐに相場は調べられます。
しかし、体験談でも書いていますが、中途半場な価格帯の腕時計、中でもとくに、私が選んだようなマイナーブランドの場合は流通市場が薄く、買取相場が分からないというデメリットも無視できません。すなわち、中途半端な価格帯(かつマイナーブランド)の腕時計の相場は、店頭に足を運んで、実際に査定してもらわなければいけないので、非常に手間がかかるわけです。
そういったことは、10万円程度の「ブレラオロロジ」や「オリエント」といったお手軽かつお値打ちなブランド時計を実際に買ってみて、そして売ろうと思ったときに、実感したのでした。
買ったときは、「お買い得感」のことで頭が一杯だったことから、「投資の視点」が完全に欠如しており、「普通のお買物」の視点になってしまっていたことが、大きなしくじりでした。
今回、予想をはるかに下回る買取価格は、しかるべき結果として、高い授業料として割り切っております。
量販店で割引販売されるブランドは投資対象に適さない
ちなみに、メジャーなブランドでも、定価より大幅に割り引かれて売られているような(※)ブランドは、投資対象としては考えにくいでしょう。
※百貨店等の正規代理店は原則として定価販売だが、激安時計専門店・家電量販店などでは、一般に、定価より安く販売されている。
具体的には、オメガやブライトリングなどが、常に定価の2~4割引程度で販売されています。
趣味として購入するのであれば非常にお買い得ですが、投資としては、それだけ割り引かれているようなモノに、一定の付加価値は期待しにくいですね(オメガのスピードマスターなど、一部の人気機種は別)。
一方で、ロレックスやパネライ、パテック・フィリップなどは、大幅な割引販売されることが少ないブランドで、人気機種に至っては、定価以上で販売されているケースもあります。通常のお買物であれば、お買い得感は薄いのですが、投資の視点からは、それでもOKだったりもするわけです。
●まとめ
→50万円以上の高級腕時計でないと投資対象になりにくい
→量販店などで割引販売されるようなブランドは投資対象には適していない
→割引販売されることが少ないのはロレックス、パネライ、パテック・フィリップなど