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不動産所得のはずが雑所得に!? ハワイ不動産投資に潜む落とし穴

前回は、ハワイ不動産売却時の譲渡益の決まり方について解説しました。今回は、ハワイ不動産投資に潜む落とし穴について見ていきます。

売却時を見越して「所有名義」の決定を

これまで2回にわたって税理士法人アーク&パートナーズの代表税理士である内藤税理士と、ハワイ不動産の売却に関する税務、1031エクスチェンジや相続税対策としてのハワイ不動産など、日本人にとって盲点とも言えるトピックに触れてきました。そして、今回がいよいよ最終回です。これまで内藤税理士のところへ相談があった実際の事案の中から失敗談をご紹介し、所有名義の落とし穴から雑所得の危険性まで解説していただきます。

 

 

◆名義は出口戦略をしっかり考えて!

 

株式会社Crossover International 代表取締役 田村仁 氏
株式会社Crossover International
代表取締役 田村仁 氏

田村 これまで多くのハワイ不動産税務の相談を受けてこられたかと思いますが、その中から我々も気をつけなければならないような実例はあるでしょうか?


内藤税理士(以下、内藤) やはり多いのは、売却時の税務を考えて取得していなかったために、実際に売ってから苦労をするというケースです。

 

ここ数年は、ハワイ不動産に関する情報も増え、名義が日本の個人または法人であれば日本の税法が適用されるということが浸透してきました。しかし以前はそんなに情報もなく、ハワイに行って気軽にサインしてしまっており、本人も意識することなく家族とジョイント・テナンシー(合有名義)になっていたなんていうケースがよく見受けられました。

 

本人は、自分が買って自分が売ったに過ぎないと思っていても、合有名義の場合、売却をする際には家族全員がハワイでも申告し、日本でも申告をしなければならないということになります。人によるかと思いますが、合有名義には良いところも悪いところもあります。個人単独で持つのか、法人で持つのか、はたまた合有名義にするのか、いずれにしても購入をする前に必ず売却時のことを考えて名義を決める必要があるということですね。


田村 なるほど。名義は税金と直結してくるので内藤税理士のような方に相談できると安心ですね。

仮想通貨、民泊新法・・・煩雑化する「雑所得」の区分

◆気をつけよう、雑所得で往復ビンタ!


田村 ところで、売却時に気をつけるべきポイントで、物件によって違いはあるでしょうか? 例えば、ホテルコンドミニアムなどもハワイには多くありますが、特に気をつける点はありますか?

 

税理士法人アーク&パートナーズ 代表税理士 内藤克 氏
税理士法人アーク&パートナーズ
代表税理士 内藤克 氏

内藤 まず気をつけなければならないのは、日本で2018年6月に施行された民泊新法です。不動産の賃貸なのか、旅館業なのか、単に友人らに自分の部屋を貸しているレベルなのかといった形態をしっかりと捉える必要があり、それによって不動産所得、事業所得、雑所得といった税金計算が異なってきます。境目が曖昧でわかりにくい形態があり得るので、これからは注意が必要だと言えますね。


特にハワイで節税物件を買った時に、不動産所得の赤字を作ったつもりが雑所得となってしまうと、他の所得と通算できなくて還付が受けられず、節税効果がなかったということがあったので気をつけなければなりません。


田村 雑所得になってしまうと、元も子もないのですね。


内藤 雑所得になると、減価償却はどんどん計上させられるので売却時には譲渡益がたくさん出てしまいます。それでもその減価償却は他の所得と通算はできません。つまり、本来減らしたい給与などの所得は減らすことができず、さらに売却の譲渡益は増え、まさに往復ビンタ状態です。


田村 節税しないのと「同じ」ならまだしも、この場合は「やらないほうがよかった」ということになってしまうわけですね。

 

 

内藤 これまでこの雑所得というのは、その他の所得という位置付けで、為替差損益と年金収入の他には、あまりないケースとして考えられてきました。ですがここに来て、仮想通貨の所得も雑所得、民泊も雑所得、これから副業も流行ってくるとこれも雑所得と、雑所得の中の区分がどんどん増えてきたわけです。今となっては、雑所得が一番判定が難しい所得という状況になっています。


田村 雑所得、奥が深そうですねぇ。例えばですが、ビットコインの利益と民泊の赤字は同じ雑所得内なので通算可能なのでしょうか?


内藤 給与所得が高い人が、不動産所得の赤字と通算するのと同じように、ビットコインでものすごい儲けている人が、雑所得の赤字を使って通算することは可能です。これを「内部通算」と言います。ただビットコインの場合は、年末にならないと本当に利益が出たかどうかわからないので、あらかじめ赤字で節税を予定することは現実的ではないかもしれませんね。

 

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思わぬところからビットコインの話まで盛り上がってしまいましたが、今回で内藤税理士との税金の対談は終わりになります。内藤税理士ご自身もハワイ不動産を所有されており、まさに体当たりでディープなハワイ不動産にまつわる税金の情報を身につけているとのことです。そのおかげもあってか、とても臨場感のあるリアルなお話しをたくさんしていただきました。

 

最後に、ハワイ不動産は税務に関することを必ず税理士に確認をしてから、購入・売却しましょう。

 

株式会社Crossover International 代表取締役

仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

WEBサイト http://www.crossover-international.com/

著者紹介

連載田村仁のホノルル不動産通信

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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