不動産投資を通じた出会いで「様々な世界」が広がった
僕の場合、彼ら起業家のような大それたことをしていないが、一つ一つ自分ができることをやってきた。
前述の通り、狭い世界にいた僕は、医師という職業は社会的信用が絶大で、銀行融資が受けやすいこと、さらに、銀行融資と関連して不動産投資という世界があることを知らなかった。これを知った時、僕の中の世界では大革命が起こった。僕なりの「大切な真実」を発見したのだ。
そのまま流れに乗った僕は、医師であることをコアとして、医師と相性の良い分野に自分のフィールドを広げ続けている。キャッシュポイントを増やすために始めた不動産投資であったが、それを通して様々な、人、価値観、考え方に出会い、世界は大きく広がっていったのだ。
その後は、「物件や事業を買う」というマインドが身についたので、クリニックM&Aという、これまで僕の頭にまったくなかった考えを進めることになった。将来的には、現代の世の中に必要とされる、新しい感覚の外来を作ってみたいと考えているし、後継者不足で廃業せざるを得ない医院を救って、地域医療が寂れないように助けることも是非やってみたい。
同じ医師同士の繋がりも、かなり広がった。不動産投資をやっていなければ一生会うこともなかった地方にお住まいの医師と直接お話したりもした。ブログやFacebookからも交流が広がっていき、人脈という意味では何十、何百倍にも広がった。出版することになったのも、不動産投資を始めたおかげだ。
経済的な部分での考え方、最適化は、僕たちに大きく欠けているマインドの一つであるが、周囲の人間関係の軋轢を恐れて、経済的最適化の問題に正面から取り組まない人が多いのも僕は知っている。しかし、それでは幸福度を上げることは難しい。これまで話した心構えをしっかり持ち、この難しい問題にも是非取り組んでもらいたいと思う。
よいコミュニティに帰属することで、目標達成も容易に
ここまでをまとめると、「スピード」だったり、「行動力」だったりが、最適化の重要な部分を占めていることはご理解いただけたと思う。そして、これらの個人の行動の量や成功速度を触媒してくれるのが、「コミュニティ」だと僕は認識している。ここでは、それがどういう意味なのかを説明していきたい。
僕は以前からブログなどを通してコミュニティの重要性を話してきた。しかし、このコミュニティというのは、目的やビジョン、さらには考え方などを共有できているものである。決して烏合の衆であったり、匿名で罵詈雑言を言い合い消耗しているようなグループではない。
行動を迅速化させるためには、確実に数の力があった方が実現しやすい。行動量だってNが大きければ大きいほど、確実にプラスになる。そして、コミニュティの中で、ある種のミーム(伝達されるべき情報や習慣、文化)が共有されていれば、コミュニティはひとりでに回り始めるのだ。
例えば、僕がコミュニティ内で「よし! みんなで海外旅行に行こう!」と決めたとして、コミュニティメンバーが、D‐OODAの考えを共有できていれば、まずは各々情報収集から始めて、現状把握に努める所から始まるだろう。人によっては、メンバーで行きたい場所をアンケートに取り、旅行会社に連絡して交渉を行う人も出てくるかもしれない。こういう流れになれば、もう僕なんて必要ない。勝手に、コミュニティという生命体が、より環境に適応するような活動を始めていくのだ。
しかし、このコミュニティに、一人でもミームを共有できていない、PDCAサイクル信者がいたらどうなるだろうか?「いやいや、まずは計画立案からでしょ! いきなり動かずに、しっかりみんなで意見言い合おうよ!」といった、正に面倒臭い状況になる。挙げ句の果てには、そういった人がコミュニティ外で、「本間のコミュニティは話し合いもせずに最悪だ」とか「時代に逆行している」などとSNSで拡散しようものなら、言葉は悪いが、その人はコミュニティ的には進行癌となってしまうのだ。こうなったら、その癌は切除するしかない。
これからのコミュニティは、やや閉じられた環境下で、ある種のビジョンを共有した上で、目的に到達しようと各々が独立で動く実践的なコミュニティが確実に多くなるはずだ。そのため、優良なコミュニティを持っていたり、そこに所属している人は、確実に人的資産という意味で恩恵に与るだろう。
一方で、ネガティブな思想に囚われたコミュニティに在籍するぐらいなら、一人でいた方がまだマシである。それどころか、「孤高」というブランディングにもなる。人間関係、コミュニティを最適化することで、あなたの目標は、よりゴールに到達しやすくなるのだ。