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マンションの価値を保つ・・・サステイナブルなポイントとは?

前回は、日本の「賃貸マンション」が抱える課題を説明しました。今回は、マンションの価値を保つ「サステイナビリティ」というコンセプトの具体的な内容を見ていきます。

マンションの価値をより長く保つための条件

これからのマンションに必要な条件を紹介する前に、より長く価値を保つことのできる「サステイナブルなコンセプト」として重要な点をまとめておきましょう。

 

●耐久性が高い

 

マンションが一つの建物である限り、歳月が経てば汚れや、傷みが発生します。大きなトラブルやマイナス点とならないように適宜メンテナンスが大事ですが、メンテナンスしやすい環境を整えておくこともポイントです。

 

外壁の素材や色を厳選することで、汚れにくい、そして汚れが目立ちにくい状態で維持することができます。修繕の回数が変わってくる場合もありますので、ぜひ押さえておきたいところです。

 

外壁の汚れには大気汚染によるもの、湿気によるもの、カビやコケによるものなどがあり、つきやすい場所として窓枠や排気口付近が挙げられます。定期的にメンテナンスをすることも大切ですが、汚れの原因を知り、汚れがつきにくく目立ちにくい色や素材を選んで手間がかからない状態を保つと管理側の負担も違ってきます。

 

クリーンな状態を長く保てるという点は、まさしくサステイナブルなポイントです。

 

年数が経つと植栽も茂り、外観との調和も取れて風格が高まることを目指したいものです。

 

●柔軟性がある

 

敷地に左右される場合もありますが、部屋の形が特殊すぎないことも使いやすさにつながります。部屋の中に柱の出っ張りがないほうが家具の配置がしやすく、自由に使えて多様性を演出できます。

 

ファミリータイプなどで部屋の数が多い場合、その配置によって住みやすさが大きく変わります。家族がコミュニケーションを取りやすい、家事の動線が取りやすい、広々として明るい空間が確保できる、収納が多く片付けやすいなど、間取りに多様性があると長く活用でき、サステイナブル度が高いマンションといえます。

 

また子どもの成長に合わせて間取りが変更できるなど、ライフサイクルの変化に合わせて柔軟な対応ができるとより良いでしょう。

見栄えのよい外観、入居者ニーズがある立地・・・

●内部と外部のデザインに飽きがこない

 

他と差別化したいなら、目を引くような奇抜さや華美なデザインにするのではなく、上質な心地良さを感じさせるものが望まれます。

 

ゆったりと落ち着いた雰囲気を醸し出すエントランスや外観を備えたマンションなら、眺めるたびに安心と満足感が得られ、人を招きたくなるでしょう。住んでいることが誇らしく感じられれば、自然と「大切に住もう」と思えるものです。すると結果的に美観を保つこともでき、末永く資産価値を維持することにもなるのです。

 

風格があり見栄えのよい外観は価値を高めるポイントです。デザインを決定するときには、安心感を与えるような美しさを持っているか、周囲と調和できているかどうかなど、バランスよく考えましょう。

 

●公共性がある

 

マンションは一度建設したら、数十年残るものであり、周囲の景観を担う存在です。個人所有だったとしても、1棟のマンションが与える価値は所有者だけのものではありません。周囲の景観となじみ、悪目立ちしないことも重要です。時代に左右されない価値を持つたたずまいが求められるといえます。

 

●入居者ニーズがある立地

 

マンションの便利さとは、立地に始まって立地に終わります。公園が近いとか、文教エリアにあるなど環境の良さも求めたいところですが、より多くの人に選ばれるのは、やはり駅に近いなど交通の便の良いところです。都市の居住誘導区域内にあることは今後欠かせない要素になってくるでしょう。

 

また立地に合わせて部屋のタイプや間取りを考えることも必要です。駅前の繁華街に近い場所には1K、1DKタイプの単身者向けあるいは寮や社宅が適しており、学校や公園に近い、駅から少し離れている場合にはファミリータイプがいいかもしれません。今後は、バリアフリーな観点を持つことも必要になってくるでしょう。その立地がどんな人に適しているかをよく見極めることが入居者の将来的なニーズにも合致し、サステイナブルなマンションをつくるポイントです。

 

デザイン上だけの問題でなく、管理の問題でごみが放置されていたり、植栽の手入れがされていなかったりすると、それだけでマンションの状態を判断されてしまう場合もあります。

 

入居候補者が内見に来て、複数の物件で迷っていた場合に「管理が行き届いていないのだな」と思われて、マンションの優先順位が下がってしまうかもしれません。

 

また空き室の郵便受けがダイレクトメールやポスティングチラシなどで溢れているのも内見に訪れる人は見ています。

 

常に客観的な視点を持ち、マンションを快適な状態に保つように管理することもサステイナビリティにつながるのです。

生和コーポレーション株式会社 設計部副部長
美術学修士
一級建築士
賃貸不動産経営管理士
愛知県立芸術大学大学院非常勤講師 

1965年愛知生まれ。生和コーポレーション株式会社設計部副部長。愛知県立芸術大学大学院卒業後、建築事務所に入社、建築物デザインに携わる。その後生和コーポレーションに入社し、収益不動産の計画、設計、建築を担当。「企画・経営管理力」「豊富な商品力」「ニーズを具現化する技術力」「安定した高入居率」を武器に、ただ収益を上げるためだけではなく、「豊かな生活を送れる街づくり」を考えたマンションを建設している。美術学修士、一級建築士、賃貸不動産経営管理士。愛知県立芸術大学大学院非常勤講師。

著者紹介

愛知工業大学工学部建築学科 愛知工業大学工学部建築学科教授

1958年静岡生まれ。愛知工業大学工学部建築学科教授。同大学を卒業後、東孝光建築研究所、北岡デザイン事務所を経て、1986年「安井秀夫アトリエ」を開設する。インテリアから建築、都市計画と幅広く設計・デザイン活動を展開し、現在では海外でも設計を行っている。研究テーマは建築計画、建築設計、インテリアデザイン、環境デザイン。1997年国際照明デザイナー協会賞、1998年IIDA北米照明学会賞を、海外で受賞。国内でもNashopライティングコンテスト最優秀賞、旭硝子デザインセレクション大賞など、数多くの受賞経験を持ち、国内外で高い評価を受けている。

著者紹介

連載未曾有の住宅供給過剰社会…生き残るマンションの条件

本連載は、2018年2月28日刊行の書籍『これからのマンションに必要な50の条件』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

これからのマンションに必要な50の条件

これからのマンションに必要な50の条件

熊澤 茂樹,安井 秀夫

幻冬舎メディアコンサルティング

供給過多により空室リスク・管理不全を回避せよ! マンションの資産価値を高め、数十年先も安定収入を生み出すために知っておくべき50の条件 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、都心部を中心にマンション…

 

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