
本連載では、香港における仮想通貨の取引の現状や規制を解説するとともに、香港の現地情報についてもご紹介します。今回は、香港の「地震」のリスクについて考察します。※本連載は、小峰孝史が監修、OWL Investmentsが執筆・編集したものです。
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50階建を超える高層マンションが立ち並ぶ香港
香港は、ビクトリアハーバーの両岸に立つInternational Commerce Centre(ICC、484m)・International Finance Centre(IFC、416m)を筆頭に、高層オフィスビルが非常に多く、また、50階建を超える高層マンションも林立しています。

これらを知ると、日本人なら当然「香港には地震がないのか?」という疑問を感じるのではないでしょうか。OWL Investmentsでは、この件について調べてみました。
人間の身体に揺れを感じる地震を「有感地震」といいますが、この有感地震の回数を、日本と香港で比較してみましょう。
日本の気象庁の震度の基準でいうと、震度1以上を有感地震と言ってよいでしょう。
気象庁震度データベースのデータによると、2016年の間に、日本全国で震度1以上の地震はが起こった回数は6587回です。

ちなみに、気象庁の「地震・火山月報(防災編)」(2016年12月)によれば、1926年以降の90年分のデータを見ると、年間50,000回以上も地震があった年(1966年)があることがわかります。

少々、日本の地震の多さを誇張しすぎたでしょうか。日本全体の地震の回数と、東京23区の二倍の面積しかない香港の地震回数とを比較しては不公平ですから、今度は東京都のデータと比較してみましょう。
東京都で観測された震度1以上の地震の回数は、2016年のデータでは132回(気象庁震度データベースのデータ)。東京都だけでも、3日に1度は震度1以上の地震が起きている計算になります。
1979年以降、香港の有感地震は70回
Hong Kong Observatory(香港天文台)が観測を始めた1905年以降、香港での有感地震は179回、短周期地震計ネットワークが稼働した1979年以降では香港の有感地震は70回です。この数字から見ると、ほぼ1年に2回という頻度です。しかも、観測を始めた1905年以降、地震による人的被害(死亡、怪我)の報告はゼロです。
近年で最大の地震は、台湾海峡の南が震源地だった1994年の地震です。香港天文台は、日本の気象庁の基準と異なるModified Mercalli Scale(改正メルカリ震度階級)という基準を使用しているのですが、この基準で、「V(多くの人が揺れを感じる。眠っている人の多くが目を覚ます。食器棚から食器が滑り落ちる)」から「VI(ほぼすべての人が揺れを感じる。多くの人が不安を感じ、まっすぐに歩くことができない。本棚から本が滑り落ちる)」でした。
このレベルの、ケガ人ゼロの20年以上前の地震が「近年最大の地震」としてウェブサイトに記録されるほど、香港は地震が起こりにくい場所です。
香港には、低税率、相続税・贈与税ゼロ、整った金融、治安の良さ、バイリンガル教育などの強みもありますが、「地震が無い」というのも見逃せない大きなメリットなのです。
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