モーゲージバンクとは
結婚や独立をきっかけに、夢のマイホーム実現に乗り出す人も多いでしょう。しかし、家を購入する場合や建築する際には多額のお金が必要です。資産に余裕がある場合はよいですが、現実はなかなかまとまった資金を用意するのは難しいものです。
そんなときに頼りになるのが住宅ローンです。住宅ローンは多くの金融機関でさまざまな商品を展開していますが、なかでもモーゲージバンクは住宅ローン専門の金融機関として多くの実績があります。モーゲージバンクとは、【フラット35】を中心とした住宅ローンを取り扱う金融機関のことです。
そもそも住宅ローンは、銀行など預金金融機関による商品として定着していました。それが、2003年に独立行政法人住宅金融支援機構(当時の住宅金融公庫)が証券化支援事業を開始したことにより【フラット35】が生まれ、それを契機としてモーゲージバンクが誕生しました。
【フラット35】の特徴と資金調達の仕組みとは?
銀行など預金金融機関が提供する住宅ローンは、主に銀行自体が持つ資金から住宅資金を融資するものです。一方、【フラット35】の仕組みは、金融機関が貸した住宅ローン債権を、住宅金融支援機構が買い取り証券化し、調達した資金を活用するというものです。
【フラット35】であれば、銀行などが預金など自社の資金を有さなくても住宅ローンを扱うことができます。このような仕組みを利用した金融機関が、モーゲージバンクとして日本に約20社存在します。長期融資による金利の利益は、金融機関にとっては魅力的なものです。
しかし、多額の資金を有していない金融機関にとっては、住宅ローンは扱いたくても扱えない金融商品だったのです。【フラット35】を専門的に扱うモーゲージバンクというビジネススタイルの出現によって、住宅ローンの扱いが金融機関の間に拡大しました。
不動産投資にモーゲージバンクは活用できる?
金融機関の資金を原資にしないモーゲージバンクは、住宅ローンを債権化し、証券として発行します。モーゲージバンクによって発行された証券は投資家によって購入され、その売却資金で運用をする流れとなっています。
購入した投資家に金利などを支払う必要はありますが、多くの投資家に証券を購入してもらうことにより、安定した金融商品として提供することが可能となるのです。また、モーゲージ担保証券は利回りのよさなどの魅力があり、モーゲージバンクの金融商品の活用メリットは十分あるといえます。しかし、モーゲージ証券はまだまだ成熟しているとはいえず、金利変動などのリスクもぬぐえません。とはいえ、元利金支払保証のメリットもあり、今後市場の活況が予想できます。投資商品の1つとしても有効でしょう。