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漆喰、珪藻土…「家の部材は自然素材がベスト」は本当か?

前回は、設計・施工を「工務店」に依頼するメリットを説明しました。今回は、家の部材として自然素材にこだわる必要性を探ります。

無垢材のフローリングに予算を削られるのは考えもの

部材は機能性とデザイン性のどちらを優先すべきかについて解説します。部材選びのポイントは2つあります。一つは機能性が価格と比例するもの。もう一つは機能性とは関係なく価格が決められているもの。

 

前者は、高機能の部材だから高価格になるのはやむを得ないという考え方です。機能性を追求すると価格は上昇しますが、予算の範囲内であれば高機能部材を購入してもよいでしょう。

 

後者は機能性というよりもデザイン性で部材を選択するイメージです。例えば、最近多いのがフローリングに無垢材を採用したいと希望する建て主です。

 

しかし、見た目や感触でフローリングに使われているのが完全な無垢板なのか合板の表面に突板を貼ったものなのかを見極めるのは困難です。合板を使っても耐久性に違いはなく、触れた感じも特に変わりません。むしろ合板のほうが反りや歪みがないという利点もあるほどです。

 

友人・知人に無垢材を使っていると自慢することはできますが、フローリングに予算を大きく削られるのは考えものです。

内装材に自然素材を使っても、居住性は向上しない

内装材に自然素材を使いたいと希望する建て主もいます。ですが、内装に漆喰や珪藻土を使っても居住性や快適性は向上しません。フローリング材と同様に、友人・知人に自然素材をたくさん使って家を建てましたとアピールできるだけです。機能面では何も変わりません。

 

漆喰や珪藻土のアピールポイントは、調湿性があることですが、湿気に満ちた家を建てなければよいだけのことなので、住宅性能を向上させて、断熱性と気密性によって湿度を管理すればよいのです。

 

そもそも珪藻土は高額で使いにくい部材です。クロスなら子どもが壁に落書きしても消しゴムで消去できますが、珪藻土の壁では消すことができません。

 

かつて、クロスはシックハウス症候群の原因になると報道されました。しかし、クロスや糊に関しても、いくつかの有害とされる化学物質はかなり前から規制がかけられています。また家電や家具、衣類などから発せられる化学物質を屋外に排出するために計画換気がより重要な役割を果たすのです。

 

自然素材で囲まれていなければならないと考えるとすると、自動車や電車にも乗れませんし、職場もそうした環境ではないでしょう。いつまでも住宅の建材だけが、「自然素材以外は有害である」といったことはないのです。古いニュースに惑わされて漆喰や珪藻土などの自然素材を選択すると、建築費用が高騰する場合があるのでご注意ください。

 

 

 

兼坂 成一

株式会社ウェルダン 代表取締役社長

一級建築士

株式会社ウェルダン 代表取締役社長
一級建築士 

昭和45年東京生まれ、中央大学法学部法律学科卒業。大学を卒業し他社に就職後に、父親の創業した一級建築士事務所で建設業者である株式会社ウェルダン(本社:東京都立川市)に入社。社長となってからも、施工物件の基本設計の多くを自ら手掛けるかたわら、大工や職人との打ち合わせに参加し、顧客の家づくりにとことん関わるスタイルを貫く。建て主のためならば時には利潤にこだわらずよりよい部材・仕様の変更にも踏み切るなど、社内・社外から信頼を得ている。

著者紹介

連載人生が変わる家づくり…理想のマイホームを実現する7つのポイント

本連載は、2018年6月3日刊行の書籍『人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム

人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム

兼坂 成一

幻冬舎メディアコンサルティング

一生に一度の家づくりで失敗したくない──マイホームを建てようとする人にとっては当然の願いです。家づくりは、家族の人生にも大きな影響を及ぼす一大イベントです。だからこそ、多くの人が間取りやデザイン、素材、設備など…

 

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