別オーダーは「住宅の仕上がりリスク」が高くなる!?
注文住宅を手がける建築会社は、①大手ハウスメーカー、②工務店、③設計事務所に大別されます。家を建てる一般的な方法は、①あるいは②に設計と施工を依頼するやり方です(この2つは、基本的に設計・施工が一体)。③は基本的に設計を請け負うだけなので、施工は異なる建築会社にさらにオーダーすることになります(設計・施工が別々)。
[図表]ハウスメーカー、工務店、設計事務所の違い
私は、設計・施工を別々にオーダーするのは、仕上がりに対してのリスクが非常に高いと考えています。
建て主の希望を取り入れて設計する建築士ならよいのですが、斬新な素材の組み合わせや、発表されたばかりの新素材を取り入れてみたいなど、自分の都合を優先する建築士が多いのは事実です。また、奇抜なデザインで世の中を驚かせてやろうと考える「一発屋」のような手合いもいます。
自社で施工しないのもデメリットです。設計事務所は、コンペを催して最安値を提示した工務店にオーダーします。建て主の立場で考えると、安い金額で請け負う会社に施工を依頼して本当によかったのかという疑念が浮かびます。また、毎回異なる会社に施工を依頼するこのやり方では、ノウハウも蓄積されません。
施工に関する打ち合わせは相当な時間を要し、手違い・勘違いが起こる可能性はつねに付きまといます。
希望を通すためには、建築業者の選択が重要
当たり前のことですが、家は設計図どおりに完成します。設計図以上の家が建つことはありません。建築業者を選択するのは、大切なマイホームの設計を誰に依頼するのかを決めることなのです。
居住性の高い家を建てたければ、省エネ技術を本格的に勉強した建築家のいる会社を選びます。本物の快適さを体験したことのない建築家に省エネ住宅の設計を依頼しても、家は快適になりません。床暖房の家を建てたければ、床暖房を得意とする建築業者を選びます。床暖房の快適さを知らない建築家に床暖房の設計を依頼しても、家は快適にならないからです。
筋道を立てて考えれば、極めて当たり前のことです。この当たり前を実行できる建て主であれば、満足度の高い家を建てることができるでしょう。