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モデルハウスの見学は「真夏・真冬・梅雨時」に行くべき理由

前回は、マイホーム建築において「居住性の向上」を重視すべき理由を説明しました。今回は、なぜモデルハウスの見学は「真夏・真冬・梅雨時」に行くべきなのかを解説します。

モデルハウスで見るべきは、間取・設備より「居住性」

家づくりを考えはじめた建て主が、最初に訪れるのがモデルハウス(住宅展示場)です。ところが、居住性を確かめるためにモデルハウスを訪れる人は少なく、間取りやキッチン、家具などだけをじっくり見て帰っていく見学者はたくさんいます。

 

モデルハウスで体験すべきなのは、間取りや設備ではなく「居住性」です。カタログを見ても快適さのレベルを確かめることはできません。

 

モデルハウス体験を怠ってしまうと、自分の家の居住性が分からないままに暮らしはじめることになります。そのときはじめて快適性が損なわれていることに気づいても、もう後戻りはできません。ちなみに、住宅性能の高い家には、屋外のエアコン室外機は少ないはずです。住宅性能の高い家は、少ないエアコンで機能を十分に発揮できるからです。

真夏・真冬の見学なら、断熱性能等のチェックが容易

モデルハウスのチェックポイントを季節別に紹介しましょう。

 

まず大前提ですが、外部にエアコンの室外機がずらりと並んでいるような家は論外です。気になる住宅会社のモデルハウスは、夏と冬の両方を体感してください。

 

●冬・・・できるだけ寒い日を選んで見学に出かけましょう。室内では上着を脱いで薄着になり、スリッパを履かずに素足で見学するのがお勧めです。スリッパは、長時間脱がないと温度を体感できないので、見学中は脱いだまま過ごしましょう。床から冷たさが伝わらず、快適に過ごすことができれば合格です。このほか、窓ガラスから冷気が伝わらないか、家の中に結露はないか、乾燥していないかもチェックしましょう。

 

ちなみに結露は、室内の温度と湿度を一定に保つことで防止できます。このため、断熱性・気密性が高い家の室内では、内部結露や表面結露は発生しません。もし、結露が発生していたら、その家は欠陥住宅と言っても過言ではありません。

 

●夏・・・できるだけ暑い日を選んで見学に出かけましょう。断熱性能は、屋根裏に上がったり、納戸や押入れの中に顔を突っ込んだりしてチェックします。大きな温度差を感じなければ合格ですがムワッとした独特な熱気を感じれば、その会社の居住性能はその程度ということです。

 

また、モデルハウスによっては、屋根裏(ロフト)は熱がこもって、わずかな時間でも人間が滞在できる環境ではなくなっており、階段の下部にチェーンを張って、「ここから先はご遠慮ください」と断りを入れているケースもあります。

 

冬季と同様に、窓ガラスから熱気を感じないかどうかも確かめましょう。

 

ちなみに「夏に2階が暑いのは仕方ないですね~」と話す営業マンもいますが、こうした住まいは論外だとお考えください。

 

住宅性能に自信のある会社は、モデルハウス内に表面温度の測定器を設置しているため、建物内のさまざまな場所で温度がほとんど変わらないことを確認できます。

 

また、繰り返しになりますが、夏は特にエアコンの室外機の台数と能力(ワット)を確認するのも大切です。高断熱住宅をうたっていても、室外機の設置状況を見れば、高性能であるかどうかが一目瞭然です。

 

●梅雨時期・・・雨が降っているときに見学へ出かけましょう。室内では、じゅうたんの下や押入れの中がジメジメしてないこと、冷たい飲み物の入ったコップが結露しないことなどを確認してください。

 

季節を問わずに確認できることもあります。それは遮音性や防音性です。道路を走る車の音、あるいは歩行者の足音がどのくらい響くのかを確かめましょう。荒天時に訪問すれば、雨音や風の音がどの程度遮断されているか確認できます。

展示場の無料プラン相談会は、購入者にメリットなし!?

住宅展示場にあるモデルハウスは、無料プラン相談会といったものをしばしば開催しています。

 

はっきり申し上げて、こうした相談会はあまり有意義ではありません。どの場所に、どんな家を建てたいのかをしっかりとヒアリングしたうえで自由設計の家をプランニングするのが本来の手順ですが、こうした相談会で示されるのは、相談会用の既存のプランです。

 

注文者に合わせてつくるオーダーメイドではなく、すでにできあがったレディメイドです。こうした相談会は、住宅メーカーが得するように仕組まれたものなので、相談に行くと、かえって視野を狭くしてしまいます。

 

それでも経験豊富な建築士や設計者が相談に応じてくれるならよいですが、住宅メーカーによっては営業担当がその場でプランを提示しているケースすらあります。

 

大事なのは、建て主がどんな家を建てたいのかを真剣に考えること。考えないままに相談会に出かけたり、カタログを集めたり、建築会社のホームページを見たりしても、どんな家を建てたいのかという明確なイメージは浮かびません。

 

家づくりはラクではありません。大手通販会社のホームページから好きな商品を選ぶのとは大きく異なります。だからこそ、モデルハウスに足を運ぶことが大切です。面倒がらずに足を運んで、居住性や快適性を体感しましょう。家族みんなで訪問して、帰宅後に感想を話し合うのも楽しいものです。

 

世界遺産をめぐって世界を旅しましょうと申し上げているのでありません。ご自宅の近所にあるモデルハウスを、季節を変えて訪問するだけで客観的な事実をキャッチできます。それほど労力のかかることではないはずです。

 

建て主の中には、100か所以上の住宅展示場をめぐった猛者もいます。しかし、めぐった件数が大事なのではなく、時間をかけて真剣によい家を探すことが重要です。一生に一度の大きな買い物と思えば、慎重になるのが当然なのです。

 

 

兼坂 成一

株式会社ウェルダン 代表取締役社長
一級建築士

株式会社ウェルダン 代表取締役社長
一級建築士 

昭和45年東京生まれ、中央大学法学部法律学科卒業。大学を卒業し他社に就職後に、父親の創業した一級建築士事務所で建設業者である株式会社ウェルダン(本社:東京都立川市)に入社。社長となってからも、施工物件の基本設計の多くを自ら手掛けるかたわら、大工や職人との打ち合わせに参加し、顧客の家づくりにとことん関わるスタイルを貫く。建て主のためならば時には利潤にこだわらずよりよい部材・仕様の変更にも踏み切るなど、社内・社外から信頼を得ている。

著者紹介

連載人生が変わる家づくり…理想のマイホームを実現する7つのポイント

本連載は、2018年6月3日刊行の書籍『人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム

人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム

兼坂 成一

幻冬舎メディアコンサルティング

一生に一度の家づくりで失敗したくない──マイホームを建てようとする人にとっては当然の願いです。家づくりは、家族の人生にも大きな影響を及ぼす一大イベントです。だからこそ、多くの人が間取りやデザイン、素材、設備など…

 

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