寿命となる設備も多数…「3回目の大規模修繕工事」の難しさ

前回は、2回目の大規模修繕工事で資産価値を上げる方法を取り上げました。今回は、3回目の大規模修繕工事では、資金計画が肝要となることを説明します。

要改修の設備が増え、過去2回より費用が高額に・・・

3回目の大規模修繕工事の特徴は、過去2回の工事よりも大きな費用がかかるという点です。これはマンションの本体に組み込まれているさまざまな部分がすでに寿命に達していることや、そうでなくとも確実に寿命に近づいているからです。

 

具体的な例では、手摺り、サッシ窓や玄関扉などが挙げられます。また、給排水設備、配管、エレベーターといった設備関連も、改修が必要な時期になっているはずです。

 

そこに立ちはだかる一番の難問が資金計画です。いくらでもお金をかけられるというのであれば別ですが、そのような管理組合には出会ったことがありません。理事会は限られた資金のなかでどの部分を工事せずに済ませるかを選択していくことが重要課題となります。

計画立案の時点でコンサルタントを加え、十分な準備を

たとえば給水設備修繕と一言でいっても、実際には工法や材料、状況ごとにその工事も千差万別となります。それだけ多くの項目があがってくるのですから、マンション全体の機能がどのように変わり、さらにそれらが将来的にどうなっていくかまでを考えなければならないのです。

 

外壁や防水の大規模修繕工事は、過去の経験を活かすことができますが、3回目の大規模修繕工事の検討項目(先に挙げた例の項目など)は、建物の生涯でおそらくただ一度だけのものばかりですから、なかなか判断がつかないのは当然です。そのような課題をクリアするためには、計画立案の時点から修繕コンサルタントを加えて十分な準備を進めていくべきでしょう。 

株式会社翔設計グループ 代表取締役
一級建築士 

1953年生まれ。東京電機大学建築学科を卒業後、大手設計事務所を経て1985年に独立。現在の会社の前身となる事務所を設立。2年後に株式会社とし、同社の代表取締役を務める。建築総合コンサルティング業を営む同社の改修コンサルタント事業部では、マンション修繕コンサルティングを管理組合に対して行っており、関東を中心に、これまで携わった修繕コンサルティング件数は650件以上。その知見を活かし、2016年9月設立の一般社団法人防災事業経済協議会にて主幹理事、2017年11月設立の一般社団法人マンション改修設計コンサルタント協会にて理事長を務める。

著者紹介

連載理事として押さえておきたい「大規模修繕工事」の基礎知識

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本

改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本

貴船 美彦

幻冬舎メディアコンサルティング

大規模修繕工事のタイミングは? コンサルタントはどうやって選ぶ? マンション理事を楽しむための秘訣が盛りだくさん! 自分たちが住む場所だからこそ、自分たちでよくしていきたい――。マンション理事と聞いて、堅苦しい…

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