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大規模修繕工事を「楽しいイベント」にして成功させる方法

前回は、理事として築50年超のマンションにどう向き合うべきかを考察しました。今回は、大規模修繕工事を「楽しいもの」として住民に認識させ、成功に導く方法を見ていきます。

「大規模修繕工事は楽しいもの」という認識へ誘導

連載【第4回】にて、大規模修繕工事の3原則(「公平」「透明」「合理」)について説明しました。それをより具体化させるために、実際の業務を進める段階で理事会がとるべき3つの手法について説明します。

 

もちろんマンションとその管理組合も千差万別ですから、この手法をすべてに適応できるわけではありません。しかし、十分役に立つものであることは間違いないでしょう。

 

手法①楽しさの演出

 

これまでに何度かくり返してきましたが、理事会は大規模修繕工事は楽しいものであるという姿勢を、個々の理事だけでなく、理事会、そして管理組合全体でもイメージできるよう仕向けることが大切です。

 

基本的に修繕工事によってマンションはきれいで美しく便利になり、生活がしやすくなるのですから、その作業は楽しいものであるはずです。とはいえ、理事会における大規模修繕工事と聞けば、たいへんな仕事というイメージが定着してしまっています。また一部には、大規模修繕を楽しくすることは、まじめに取り組んでいない証拠だという感覚もあるようです。しかし、それは大きな間違いです。

 

たとえば、マンションのどこかをほんの少しだけ変えてみることを修繕計画に織り込むと考えてみたらどうでしょう。エントランスの照明ひとつをちょっと素敵なものに変える―それだけでも杓子定規の「やらされる」仕事が「自主的な」楽しいものに変わるはずです。

工事後、住民による建物管理協力が日常的になった例も

ある理事会に同席させていただいた折に、こんなことを話された理事の方がいました。

 

「いやぁ、僕は理事会が楽しみなのです。みんなで和気藹々と話して大規模修繕の内容を決めていく時間がなんとも面白くて、マンションに早く帰って理事会に出るのが楽しみなんですよ。もっとも、終わってからみんなで酒飲むのもまた楽しいことのひとつなんですけどね」

 

私は本当に感心しました。なかなかここまで楽しくはできないのが多くの理事会です。しかし、なかにはこうしてすばらしい修繕工事を行った理事会もあるのです。このマンションでは大規模修繕工事が成功裏に終わったことに加え、さらに重要な点として住民の建物管理への関心や協力が日常的になり、そして管理組合としての意識も高まったといいます。

 

これはとても参考になるケースでしょう。やはり、楽しさはすべてのエネルギー源なのです。 

株式会社翔設計グループ 代表取締役
一級建築士 

1953年生まれ。東京電機大学建築学科を卒業後、大手設計事務所を経て1985年に独立。現在の会社の前身となる事務所を設立。2年後に株式会社とし、同社の代表取締役を務める。建築総合コンサルティング業を営む同社の改修コンサルタント事業部では、マンション修繕コンサルティングを管理組合に対して行っており、関東を中心に、これまで携わった修繕コンサルティング件数は650件以上。その知見を活かし、2016年9月設立の一般社団法人防災事業経済協議会にて主幹理事、2017年11月設立の一般社団法人マンション改修設計コンサルタント協会にて理事長を務める。

著者紹介

連載理事として押さえておきたい「大規模修繕工事」の基礎知識

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本

改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本

貴船 美彦

幻冬舎メディアコンサルティング

大規模修繕工事のタイミングは? コンサルタントはどうやって選ぶ? マンション理事を楽しむための秘訣が盛りだくさん! 自分たちが住む場所だからこそ、自分たちでよくしていきたい――。マンション理事と聞いて、堅苦しい…

 

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