「設計仕様書の作成」と「工事会社の選定」が必須要件
マンションの大規模修繕工事に際してもっとも注意しなければならないのは、公平、透明かつ合理的であることです。
長年をかけて積み立ててきた公金が支出される工事ですから、その実行にあたっては当然いくつかの必須要件がでてきます。ただし、どのようなケースであろうとブレない原則はあります。
それは、調査と議論に基づいた設計仕様書を作り、複数の工事会社による厳正な入札によって工事会社を選ぶこと。いろいろな方法を考えることはできますが、現状ではこの方法以上の手法を見つけられないというのが現実なのです。
設計と工事の「明確な分離」が品質確保の大前提である
たとえば、品質確保のための工事監修業務ひとつをとってみても、設計と工事の分離が前提となってきます。
ところが残念なことに、日本ではまだまだこれらを分けて依頼するという習慣が根付いていません。しかしながら、一個人や一企業が発注者である場合とは異なり、マンションの大規模修繕工事のように透明性と公平さが求められるケースでは、今後はより一層、設計と工事の明確な分離、そして厳正な入札システムが求められるように変わっていくのは間違いないと考えます。
そのために必要になってくるのが、理事会の客観的な判断をサポートできる第三者の設計コンサルタントなのです。