前回は、バリ島のヴィラ経営において、「写真栄え」を意識した改装を行うメリットを取り上げました。今回は、不動産投資家が海外の業者とのトラブルを遠ざけるポイントを見ていきます。

トラブル解決のハードルを上げる、言葉・常識の違い

最近、トラブルの相談を受けることが増えてきました。バリ島で受けた案件だと、下記のようなものがあります。

 

●ヴィラの建築工事を依頼し、前金を支払ったが工事がストップしている。その後、業者と連絡を取っていたが、取れなくなってしまった。

 

●ヴィラの管理を依頼しているが、売上が振り込まれない。あるいは修繕費や管理費が高すぎる。

 

●数年前、インドネシア人の名義を借りて土地を購入したが、最近売却しようとしたところ、名義人が拒否して聞かず困っている。

 

●外国人資本の法人(PTPMA)の設立をエージェントに依頼したが、1年以上経っても設立できず、追加の請求をされる。

 

●ビザ取得をエージェントに依頼したが、キチンとした手続きがされていない。

 

いずれのケースも、他者に依頼し、依頼された業者が適切な仕事をしていない、というものです。

 

トラブルは「海外だから起きる」わけではありません。日本でも同じ確率で起きうるものであり、実際に起きています。

 

しかし、日本人が日本で仕事を依頼する場合は、相手の情報が取りやすいですし、人間関係や人のつながりもあります。また、仮にトラブルになりそうな場合も、日本語でコミュニケーションが取れますから、早期に対応したり、対応できる人に依頼することも可能です。そのようにして、最悪の状態になる前に回避できているのです。

 

ですが、海外での場合はそうはいきません。外国人とは常識が違いますし、言葉が違えばコミュニケーションもスムーズには取れません。電話では通じにくいこともたくさんあります。物理的な距離が遠ければ、簡単に会うこともできません。

 

弊社では、ホテル向けのベッドスローを中国で製造して日本で販売していますが、スタート時は大変でした。

 

中国語の通訳探し、決済の方法、税関での受け取りなど、細かい事務手続きは、面倒ではありますが、それはまだどうにかなります。しかし、中国から生地サンプルを取り寄せ、デザインを作成し、作ってもらうのですが、

 

●こちらが望む生地サンプルは、どこの会社にあるのか

●こちらが要求する縫製は、どの会社ならできるのか

 

といった根本的な問題、つまり「相手探し」は難しいのです。

 

 

 

 

 

 

 

依頼したある縫製工場では、梱包が甘く、しかも船便だったので、カビだらけの製品が届き、すべてムダになってしまいました。その責任をどちらが負うのか、折り合いをつけるのですが、中国人通訳を入れた電話やりとりで、これまた面倒なものとなりました。

 

それでもその工場は、縫製の技術に問題はなかったため、船便用の梱包対応を工夫してもらい、現在に至っています。

失敗を避けるには「過去の実績・評価」を確認する

海外での取引相手選びは、いわば「結婚」みたいなものです。結婚披露宴、新居探し、婚姻届け、結納などは確かに面倒ですが、相手さえ決まってしまえば、それなりに進められます。ですが、「お相手選び」は簡単ではありませんし、その失敗はイタい・・・。

 

我々は、はバリ島で失敗の連続でした。依頼する業者を何回か変えただでしょうか。

 

ノタリスは、まず正しく手続きをする人でないと困るし、ある程度融通がきかないと税金が高くなります。

 

何度もヴィラを売買し、バージョンアップさせてきました。家具屋も、建築屋も、両替屋も、許認可エージェントも同じです。

 

経験にムダなことはない、といえばそうかもしれませんが、余計な回り道はしないほうがいいでしょう。失敗を避けるには、過去の実績を確認することが大切です。それには「お客の評価」を聞けばいいのです。

 

そのくらいの手間をかけて依頼したほうが、投資家にとってメリットになります。とはいえ、それが難しいのが「海外」であるともいえますが・・・。

本連載は、株式会社IINの代表取締役・三浦純健氏のブログ「バリ島海外不動産投資入門」から転載・再編集したものです。
その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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