ウソのサインには「話し方」と「仕草」がある
ウソはどうやって見抜くのか?
ウソをついている場合、投げかけた質問を契機として「ウソのサイン」が表れます。ウソのサインには「話し方」と「仕草」のサインがあります。片方でも両方でもいいのですが、サインが感じられたら、ウソをついている可能性が高いです。
ここでは、「選挙違反事件で投票する見返りに現金を貰った」という現金買収事件をもとにして質問の答え方を例示します。
◆「話し方」のウソのサイン
●質問に答えることができない
質問に対して答えられずに、質問の答え以外のことを話す。
例えば、現金買収事件で「どこでお金を貰いましたか?」との質問に対し、「その日は、刑事が使うウソの見抜き方自宅で一日寝ていたが来客はなかったな」などと、質問の答え以外のことを話す場合。
そもそも質問に答えていない。
●質問を繰り返す
質問に答えずに、そのまま相手の質問を繰り返す。
例えば、「どこでお金を貰いましたか?」と聞かれて、「どこでお金を貰ったかって?」と質問をオウム返しする。
●簡単な質問が理解できない
考えなくても答えられる質問に対して、「質問の意味がわからない」などと理解を示さない。
例えば、「どこでお金を貰いましたか?」と聞かれて、「どういう意味ですか?」と質問の意味を問い直す。
お金を貰ったかどうかは、いちいち聞き返さなくても理解できる質問である。
●逆ギレする
犯罪者ややましいことがある人は、必ずといっていいほど逆ギレする。ウソつきは自分に信用がないのがわかっているので、相手を怒って説得しようとする。
例えば、「どこでお金を貰いましたか?」と聞くと、「なんでそんなことを言わなきゃいけないんだ。いい加減にしろ!」などと急に怒り出す。
●質問の手順や方法に文句を言う
「こんなところで職務質問をしていいのか」「違法な家宅捜索だろ」などと質問に対する手順や方法に不満や文句を言う。矛先を変えようとする意図で行われる。
例えば、「どこでお金を貰いましたか?」と聞かれて、「この取調べは違法じゃないか。夜中の取調べは人権侵害だろ。手続きとして間違ってる」などと言う。
余計な説明が増えたり、問題を軽く扱おうとすることも
●明確に否定しない
否定すべき質問に明確に否定しない。人間には良心があるので「やっていない」「していない」と明確にウソはつきにくいもの。
例えば、「どこでお金を貰いましたか?」と聞かれて、「貰っていません」と明確に否定せずに「あの人とは昔からつき合いがあって、家にきたことはあるが記憶にない」などと、なんとなく否定する。
●余計な説明が多い
例えば、「どこでお金を貰いましたか?」の質問に、「お金は貰っていません。あの日は朝から会社に行って残業もあったので帰りも遅かった。家族も出かけていて日中は誰もいなかった。訪ねてきた人がいてもわからない。そもそも、うちにお金を持ってくる理由がない」などと、答え以外に余計な説明が多い場合。
●問題を軽く扱う
例えば「どこでお金を貰いましたか?」の質問に、「こんなことで大騒ぎするなんておかしい」「警察に呼ばれて話すことじゃない」などと問題を軽く扱おうとする。
●神様や信頼できる人を持ち出す
「神様に誓ってもやっていない」「私がどんな人間かは亡くなった先代の社長が一番知っている」など、自分の信用のなさを神様や故人、著名人で補強する。
●真実の話で説得する
「私の仕事の実力は誰もが認めています」「あと少しで定年退職なのに今更退職金が貰えないようなことをするはずがない」など、内容が真実で反論しようもない発言をする。説得力があるので「言われてみれば確かにそうだよな」と相手の発言を信じてしまいがちなので注意。