2018年は「国産仮想通貨」が続々と誕生!?
2ちゃんねるで有名なアスキーアート『モナー』をモチーフにしている国産仮想通貨モナコインが、2017年大幅な上昇を見せました。背景には、取引できる取引所が増えていることが挙げられます。『モナー』への関心は世界でも高く、日本のオタク文化への関心の高さがうかがえます。
そのようななか、2017年12月、トーキョー・オタク・モード(Tokyo Otaku Mode Inc.)はアニメや漫画、ゲームなどいわゆるオタク系コンテンツ業界に特化した仮想通貨「オタクコイン」でのICO(Initial Coin Offering、新規仮想通貨公開)実施に向け本格的に検討を開始、「オタクコイン準備委員会」を設立したと発表しました。
アニメの企画・プロデュースなどの事業を展開するジェンコの代表である真木太郎氏やアニメジャーナリストの数土直志氏がアドバイザーとして就任しています。また、ICOコンサルティング事業を展開するエニーペイ(AnyPay)が参画・支援を行うとのことです。
オタクコインは、オタク系コンテンツ業界で利用可能な共通通貨となる予定で、アニメ作品への直接的な支援のほか、アニメイベントへの参加費用、物販での支払いなどに充当できることを想定しています。
なお、著名な漫画家にコインをデザインしたり、AR(Augmented Reality、拡張現実)を通じて空中に浮いている同コインを獲得できるなど、ほかの仮想通貨にはない「楽しさ」の提供も検討しているもよう。
一方、2018年春から夏ごろのICO実施を目指しているものの、2018年1月時点では、法律や会計、税務などさまざまな観点から、確認や調整を行なっている最中で「実施に向けた検討を行っている」状態のようです。
仮想通貨を活用した「農業振興」を発表する団体も
また、2017年12月末、神戸経済同友会が地方創生に向けた提言を発表しました。
農業振興の面では、消費者が生産者と専用サイトで直接繋がり、農産物を購入してクレジットカードや仮想通貨で決済する仕組みを提唱しています。県産品の購入を推進することが狙いで、地域通貨を活用した地方創生は以前から議論されてきたテーマです。
2017年は、このような地域通貨に絡んだニュースが多く伝わりました。飛騨信用組合は、地元住民および観光客向けに電子地域通貨「さるぼぼコイン」の提供を開始しました。こちらはスマートフォンアプリ上で利用できる電子通貨です。近鉄グループは、三菱総合研究所と組み、仮想地域通貨「近鉄ハルカスコイン」を使用した実証実験を開始しています。
地域通貨は流通量の拡大などの観点から、爆発的な消費拡大を引き起こすことが難しい側面もあります。ただ、世界中で流通しているビットコインなどの主要仮想通貨と地域通貨との兌だ換かんなどが将来的に可能となれば、訪日外国人が旅行先の電子地域通貨を購入・消費することで、地方での消費が一段と活発になるような展開も期待できそうです。
仮想通貨先進国として日本が進むには、こうした取り組みに政府も積極的に絡んでいくことが必要でしょう。2018年は、国産仮想通貨が続々と誕生するかもしれません。