ボラティリティが大きい投資は「±3σ」を利用
ボリンジャーバンドは株式や為替市場では主に「±2σ」が分析に用いられますが、ボラティリティの大きいビットコインの世界では「±3σ」を利用します。
2017年、ビットコインは上昇の一途を辿りましたが、短期的な下落は頻繁に発生しています。その際、ボリンジャーバンドの「+3σ」を上回ったあとに下落しているケースが多く見られます。
投資家心理としては「上がり過ぎに対する調整がそろそろくるかもしれない」といった状況と考えられます。明確な「買われ過ぎ、売られ過ぎ」といった基準が存在しない仮想通貨の世界では、こうしたボリンジャーバンドなどが示す水準の影響力が大きいのかもしれません。
そして、調整局面に入った際の下値メドとして、+1σや30日移動平均線もしくは1カ月間にもみあった水準などが意識されがちです。このもみ合った水準は、売買をしている投資家が多いことから意識されやすいのです。
足元の上値抵抗線だった水準(レジスタンスライン)が、下値指示線(サポートライン)に変化することもよくありますが、これも投資家がその水準を強く意識しているからです。こうした見方は株式、為替市場と同じだと考えています。その水準には投資家の様々な思惑が交錯しているからです。
ビットコインは「中長期的には右肩上がり」!?
ちなみに足元のビットコインの場合、30日移動平均線を下回ることはほぼありません。仮にこの水準を長い期間割り込んだ場合、それは上昇トレンドから下落トレンドに転換したことを示します。つまり上昇トレンドが終焉を迎え、下落トレンド入りする可能性を示唆しているのです。
今のところビットコインのチャートでは、そのサインは見られません。こうした状況も「中長期的には右肩上がり」と私が見ている要因の一つです。
ここまでの内容をまとめてみます。
●ボリンジャーバンドの+3σを上回った後、短期的な乱高下(調整)となりやすい
●その期間は長くても1週間ほど
●下値メドは+1σ、30日移動平均線もしくは足元(約1カ月間)もみあった水準