仮想通貨の相場展開・・・短期的に乱高下が続くといえる理由

今回は、仮想通貨の相場展開として、短期的に乱高下が続くといえる理由を見ていきます。※本連載は、フィスコ仮想通貨取引所の取締役である田代昌之氏の著書、『プロはこうやって儲ける! ビットコイン相場の読み方』(実業之日本社)より一部を抜粋し、「中長期・短期の投資手法」を仮想通貨のプロが解説します。

ビットコイン市場は週末にかけて下に動きやすい!?

ここからは短期的な投資手法について紹介していきます。

 

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、24時間365日売買が可能です。つまり、株式や為替市場が休場の土曜日、日曜日でも売買ができるわけです。また、株式のようなストップ高やストップ安といった値幅制限がないので、値動きは大きくなりがちです。

 

2017年のビットコインの動向を見ると、日本が土日や祝日を迎えているときに大きく動いた印象があります。そこで、曜日ごとの値動きを調査したところ、次のような結果が得られました。

 

以下の図表1は2017年1月以降の当日の高値と安値の値幅を前日の値幅で割った結果大きく値動きした日をランキングにしたものです。

 

[図表1]2017年の値幅の変化率(前日比)ランキング

 

全体を見て、月曜日から日曜日までの値幅の変化率(前日比)は目立った変化はありませんでしたが、ランキングを見ると、12月8日金曜日に42.70%動いているなど、週末に大きく動いている日が多いことがわかります。

 

また、以下の図表2の日ごとの下落率(前日比)を確認すると、12月22日のマイナス23.07%、5月26日のマイナス18.66%がランキング1、2位となりますが、ともに金曜日です。つまり、平均化するとあまり目立った変化は確認できませんが、金曜日に急落もしくは上下に大きく動くケースがあることがわかります。

 

[図表2]2017年の日別・上昇率・下落率ランキング

 

そして、下落率ランキングを確認すると、12月22日と5月26日の金曜日に次いで、1月5日の木曜日の15.64%、7月15日の土曜日の15.24%、6月15日の木曜日の15.0%、5月27日の土曜日の13.75%と上位5位まで木曜日から土曜日が並びます。

 

前日比10%超の下落率を曜日ごとに見ると、水曜日が2回、木曜日が3回、金曜日が2回、土曜日は4回といった状況です。ちなみに前日比10%超の上昇率では、下落率ランキングで出てこなかった月曜日が2回、火曜日1回、日曜日が1回それぞれランキングに入っています。つまり週末にかけてビットコイン相場は下に動きやすく、土曜日前後に底打ちし週明けは値を戻すといった傾向が見えてきます。

なぜ「土日」に大きく動く傾向があるのか?

このデータを見るかぎり、土日に大きく動くというのは事実です。

 

私は、週末でも実際に売買が可能な投資対象がビットコインをはじめとした仮想通貨しかないことが要因だと考えています。会社が休みのビジネスマンが、土日に活発なビットコイン投資を行っているようなイメージです。

 

欧州では、ビットコインの売買を積極的に手掛ける日本人のことを「ミスター・ワタナベ」と呼んでいるようです。2005年前後に、FX(外国為替証拠金取引)を活発に手掛ける日本人が「ミセス・ワタナベ」と呼ばれるようになりましたが、ビットコイン投資を行う日本人は男性が多いことから「ミスター・ワタナベ」という言葉が誕生したようです。

 

2017年は、ビットコイン年間売買高のランキングで日本がトップとなる公算が大きいことが影響したのでしょう。こうした「ミスター・ワタナベ」が平日の合間や土日に積極的な売買を手掛けていることで、ボラタイル(変動率の大きい)なビットコイン相場が続いていると考えます。

 

そして、この流れは2018年も変わらないでしょう。

 

FXのレバレッジの上限をこれまでの25倍から10倍まで引き下げる話が足元で行われていることが理由です。レバレッジ上限の引き下げがいつからになるかははっきり決まっていませんが、ボラタイルな相場展開を好むFX投資家は、レバレッジの上限引き下げによってFX市場から徐々に離れ、レバレッジ10倍以上(取引所による)でかつ値動きも激しい仮想通貨市場に流れていくことが予想されます。

 

先物市場がスタートしたことで値幅は落ち着くといった声はありますが、私は価格変動が大きい相場展開を好む「ミスター・ワタナベ」が存在するかぎり、短期的に乱高下となる相場展開は続くとみます。

フィスコ仮想通貨取引所 取締役

北海道出身。中央大学文学部史学科日本史学科卒業。新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。17年3月から現職も兼務。ボラティリティに関する論文でIFTA国際検定テクニカルアナリスト3次資格(MFTA)を取得。各ベンダーへの情報提供のほか、YAHOOファイナンスなどへもコメントを提供。日経CNBCで定期的にコメンテーターを務めるほか、ラジオNIKKEIではキャスター業務を務める。

著者紹介

連載仮想通貨のプロが教える「中長期・短期の投資手法」

プロはこうやって儲ける! ビットコイン相場の読み方

プロはこうやって儲ける! ビットコイン相場の読み方

田代 昌之

実業之日本社

2017年、たった1年で価格が20倍以上に上昇したビットコイン相場。新たな投資先として熱い注目を浴びる仮想通貨の投資術を、ビットコイントレーダーが解説します。じかに手に取ることができないことから、何だか不思議に思える…

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