今回は、「仮想通貨投資」がお勧めできない理由を説明します。※本連載では、国際エコノミスト、マネードクターとして活躍する今井澂氏の著書、『日経平均3万円 だから日本株は高騰する!』(フォレスト出版)から一部を抜粋し、なぜ日本株は上昇するのか、そして、その上昇相場の波に乗る「強気の投資戦略」について説明します。

投資家を保護する仕組みがない「仮想通貨投資」

最後になりますが、仮想通貨への投資をどう考えるべきか、私の考えを述べておきましょう。

 

インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の価格が、この1年で700%も上昇しています。私が毎週お届けしている音声情報「今井澂の相場ウラ読み」でも、会員から「ビットコイン投資」についての質問がたくさん寄せられていて、その関心の高さがうかがえます(https://www.forestpub.co.jp/imai_onsei/)

 

結論から言って、ビットコインへの投資はお勧めできません。理由は、仮想通貨については投資家を保護する仕組みがないからです。

 

いずれは投資家保護が行われるという考え方はあるかもしれません。2016年には資金決済法が改正され、仮想通貨の取引サービスが同法による規制の対象になりました。それにより、仮想通貨が定義され、売買等を行う仮想通貨交換業者に対して登録制が導入されました。利用者保護のためのルールもいくつか整備されましたが、それは行政のための最低限度の規制と言ってよく、かりに被害が出たとしても自己責任の論理で処理されるのは目に見えています。

 

[図表]時価総額が大きい主な仮想通貨(2017年8月2日現在)

出所:「コインマーケットキャップ」資料より作成
出所:「コインマーケットキャップ」資料より作成

 

そもそも仮想通貨は国や中央銀行の規制を受けないところが魅力であり、それが存在価値でした。ですから、将来もしも公的に保護される仕組みができたときは、仮想通貨の人気が失われるときであるとも言えます。

投機が行われるところには必ず「騙し」がある!?

ご存じのように、仮想通貨はビットコインだけではありません。ビットコイン、イーサリアム、リップルなど時価総額上位10位の通貨だけで900億ドルあり、全体の9割を占めています。

 

投資家の中には第2のビットコインを探す動きが広がっていると言われるように、いまや仮想通貨は投機の対象です。仮想通貨そのものに社会的有用性はあるでしょうが、だから仮想通貨でお金儲けを考える人たちは信用できるという話にはなりません。

 

私の長年の経験から言って、投機が行われるところには必ず騙しがあるものです。大火傷の可能性のあるところにわざわざ虎の子の投資資金を投入する愚だけは、避けなければならないのではないでしょうか。

 

ビットコインはこれからさらに値上がりする可能性がないとは言いませんが、横目で睨んで相手にしないことが大人の投資家の態度だと考えます。

日経平均3万円 だから日本株は高騰する!

日経平均3万円 だから日本株は高騰する!

今井 澂

フォレスト出版

●日経平均3万円! 安倍政権発足からの著者の主張が現実味を帯びてきた 経済予測は水ものですが、著者の今井氏は、第二次安倍政権が発足した当時から言い続けてきたことがあります。 「安倍政権は長期政権になる。アベノ…

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