本連載では、国際エコノミスト、マネードクターとして活躍する今井澂氏の著書、『日経平均3万円 だから日本株は高騰する!』(フォレスト出版)から一部を抜粋し、なぜ日本株は上昇するのか、そして、その上昇相場の波に乗る「強気の投資戦略」について説明します。
日本株の買い材料は目白押し
私の講演で何度かお伝えしてきたように、世界経済は2017年から恐慌化の様相を帯びてきていると考えています。
もちろん、ブラックスワンは姿を現していないし、世界をけん引するアメリカ経済も順調、先行きの見通しは悪くありません。この先、アメリカやEUで肝を冷やす出来事が起こったとしても、相対的に割安な位置にとどまっている日本株は大崩れしないと考えています。
私の相場観は相変わらず強気です。
日経平均225種のEPSは1500円を超え、増額修正が相次いでいます。安倍首相の支持率は50%超、政権は長期安定、PERは14倍台で割安・・・など日本株の買い材料は目白押し。なおかつ、日本の機関投資家や個人投資家の先行きに対する弱気が「懐疑のうちに育つ」という長期上昇相場の環境にあると考えるからです。
事実、記録的なカラ売り残は減る気配がないし、信用買い残も増えていません。株価が上がるのは、経験的に言ってこういうときです。
暴落時でも大きく下がらない銘柄を投資対象にする
ただしこの先、乱高下は起こり得るでしょう。
そこでセクターや銘柄の選別がたいへん重要になるわけですが、それ以前に、暴落時でも大きくは下がらず、次に上がるときは前回高値を更新していく銘柄を投資対象にする戦術をとるべきだと思います。
私は、それらを「偏西風銘柄」と呼んでいます。
偏西風は、蛇行しながら右上へ右上へと安定して吹きつづける風です(北半球)。偏西風銘柄とは、その偏西風の蛇行のように、多少の下落はありながらも株価が右上へ右上へと延びていく銘柄のことです。
偏西風銘柄への投資は、世界が恐怖におびえる経済環境下ではとくに威力を発揮するでしょう。
国際エコノミスト
マネードクター
1935年東京生まれ。浦和高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、山一證券入社。山一證券経済研究所、山一投資顧問を経て、日本債券信用銀行顧問に転職。「証券から銀行への珍しい転職」として脚光を浴びると、英国との合併会社である日債銀ガートモア会長、日債銀投資顧問専務、慶應義塾大学商学部講師、白鴎大学経営学部教授などを歴任。 証券と銀行の両業務を経験、一貫して、「情報」と「市場の資産運用」をつなげる仕事に携わる。 また、世界で初のヘッジファンドについての書籍を執筆、日本で初めてヘッジファンドを買った人物としても知られる。TBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「サンデープロジェクト」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」などの番組で活躍、自身の名を冠した「今井澂の美女とヤジ馬」は好評を博し長寿番組に。
現在も、講演を年間80回以上行うなど、活発に活動。公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構理事、NPO 法人金融知力普及協会理事を務める。
主な著書に『シェールガス革命で復活するアメリカと日本』(岩波出版サービスセンター)、『経済大動乱下! 定年後の生活を守る方法』(中経出版)、『日本株「超」強気論』(毎日新聞社)、『2014-2015日本経済逆転のシナリオ』『2016 日本経済 投資のシナリオ』『進撃する相場の投資術』『恐慌化する世界で日本が一人勝ちする』(以上、フォレスト出版)がある。
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連載日経平均3万円…日本株上昇相場の波に乗る「強気の投資戦略」