今回は、AI関連で注目すべき銘柄を紹介します。※本連載では、国際エコノミスト、マネードクターとして活躍する今井澂氏の著書、『日経平均3万円 だから日本株は高騰する!』(フォレスト出版)から一部を抜粋し、なぜ日本株は上昇するのか、そして、その上昇相場の波に乗る「強気の投資戦略」について説明します。
日本の職人技術は「AI化」で受け継がれていく!?
現在の製造業では複雑で数多くの部品を組み立てる機会はほとんどなくなり、そういうものは標準化した部品で構成するモジュールで行われるようになっています。これは電気自動車の組み立てを見ればよくわかります。かつてとは異なり、それは家電製品の組み立てに近いものになっています。
一般に、モジュール生産が進展すると、すり合わせ技術が不要になると考えられていますが、これは誤解です。モジュールの生産そのものに、高度なすり合わせ技術を必要とするのです。日本人が持つすり合わせ技術は、このように相変わらず製造業の強みになっています。
そして、そこにAIが絡んできます。
たとえば、日本のすり合わせ技術をAIで産業用ロボットなどに組み込む試みも始められました。日本では職人技術の承継がうまくいかず、それが廃れると心配されてきましたが、AI化で生き残り受け継がれることでしょう。
AIの開発競争は、人間のどのような能力や感性をAI化するかという競争です。日本人は特有の能力や感性を持っていますから、競争を優位に運べるに違いありません。
ビッグデータ解析、IoT、ロボット関連の銘柄等に注目
こうしたAI開発は、ビッグデータ解析、IоT(モノとモノとのインターネット)、ロボット、自動運転車などに幅広く活用され、相乗効果で日本のITとハイテク産業全体を発展させるでしょう。
AI関連の銘柄は東証一部から新興市場にまでたくさんありますので、一度じっくりとご研究なさればいいと思います。
また、新興市場の成長銘柄ではJIG‐SAW(3914)、サイバーダイン(7779)、モルフォ(3653)、DDS(3782)などにも気を配っておくといいのではないでしょうか。
国際エコノミスト
マネードクター
1935年東京生まれ。浦和高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、山一證券入社。山一證券経済研究所、山一投資顧問を経て、日本債券信用銀行顧問に転職。「証券から銀行への珍しい転職」として脚光を浴びると、英国との合併会社である日債銀ガートモア会長、日債銀投資顧問専務、慶應義塾大学商学部講師、白鴎大学経営学部教授などを歴任。 証券と銀行の両業務を経験、一貫して、「情報」と「市場の資産運用」をつなげる仕事に携わる。 また、世界で初のヘッジファンドについての書籍を執筆、日本で初めてヘッジファンドを買った人物としても知られる。TBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「サンデープロジェクト」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」などの番組で活躍、自身の名を冠した「今井澂の美女とヤジ馬」は好評を博し長寿番組に。
現在も、講演を年間80回以上行うなど、活発に活動。公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構理事、NPO 法人金融知力普及協会理事を務める。
主な著書に『シェールガス革命で復活するアメリカと日本』(岩波出版サービスセンター)、『経済大動乱下! 定年後の生活を守る方法』(中経出版)、『日本株「超」強気論』(毎日新聞社)、『2014-2015日本経済逆転のシナリオ』『2016 日本経済 投資のシナリオ』『進撃する相場の投資術』『恐慌化する世界で日本が一人勝ちする』(以上、フォレスト出版)がある。
著者プロフィール詳細
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連載日経平均3万円…日本株上昇相場の波に乗る「強気の投資戦略」