家の耐震性を高めるための「地盤調査」の基礎知識

前回は、二階建て以上のRC造住宅の強度を保証する「構造計算」 を取り上げました。今回は、家の耐震性を高めるための「地盤調査」の基礎知識について見ていきます。

建築基準法の改正により、地盤調査は実質義務化に

耐震性を考える際には、家を建てる土地の地盤の状態を知ることも大切です。東日本大震災の時には、関東地方の太平洋沿岸を中心に広範囲で「液状化現象」が発生し、木造住宅が傾くなどの被害が生じました。

 

液状化現象とは、その名のとおり地盤が液状になってしまう現象のことで、埋立地や干拓地、昔の河道を埋めた土地など、砂質の地盤で起こりやすいといわれています。地盤は粘性土層や砂質土層、盛土層など性質の違う土で成り立っていますから、自分の家がどのような性質を持った土地に建っているかを知ることで、災害のリスクを軽減させるための対策を打てるようになります。

 

かつて地盤調査は任意のものでしたが、2000年の建築基準法の改正により実質義務化されました。そのため、建築工事が始まる前には「平板載荷試験」や「ボーリングによる標準貫入試験」などで地盤調査が行われます。それぞれの試験の内容は次のとおりです。

平板載荷・ボーリングによる標準貫入試験の調査内容

●平板載荷試験

基礎に見立てた鋼板(直径30センチ)に、住まいを建てた際にかかる荷重と同等の負荷をかけて沈下量を測定し、地盤の支持力を測る試験

 

●ボーリングによる標準貫入試験

円筒状に穴を掘り進めながら、1メートルごとに地盤の固さを測る調査。サンプラーと呼ばれる器具を穴の底に設置し、上から重りを落下させて、サンプラーが30センチの深さまで刺さるのに要した打撃回数を測定する

 

支持力や土壌の種類、地質、硬度などの調査結果から「問題がある」と判断された場合には、地盤の改良工事を行わなければなりません。工事の方法はいくつかありますが、地盤の状態や建物の重さ、コストなどを基準に選択されます。主に利用されるのは5つで、RC造で多く採用されるのは「固結工法」と「杭打設工法」です(図表参照)。

 

[図表]地盤の改良工事の方法

株式会社サンオリエント 代表取締役 一級建築士

岡山県倉敷市出身。1969年生まれ。
1987に岡山県立水島工業高校建築科卒業後、10年間大手建設会社にて現場監督、施工管理などを担当。退社後、独立行政法人国際協力機構の青年海外協力隊としてミクロネシア連邦、ブータンへ派遣され、建築指導に従事。2003年に株式会社サンオリエントを設立、代表取締役に就任。マンションや病院などの設計・施工管理の経験と実績をもとにしたRC造住宅の建築を得意とするほか、RC造と木造のハイブリッド住宅や木造住宅など、顧客の希望をもとに快適性と実用性を兼ね備えた住宅を提供している。
また、結露やカビの発生を防ぐ「遮熱材」や埃などの有害物質を吸着してシックハウス症候群を防ぐ新建材を使用するなど、クリーンかつエネルギー効率の良い空間づくりを追求。海外の活動で得た広い視野を持って、前例にとらわれない最高の家造りを目指している。

著者紹介

連載コンクリート建築のスペシャリストが教える「RC造住宅」の魅力

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

磯崎 慎一

幻冬舎メディアコンサルティング

美術館やランドマークなどに使われ、高いデザイン性が認められながらも、「部屋に熱がこもりそう、寒そう」というイメージが強い鉄筋コンクリート造の住宅。 しかし実際には「夏は涼しく、冬は暖かい」という優れた居住性があ…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧