「付加価値」はすぐに陳腐化する!?
賃貸マンションには一度完成した以上、30~40年にわたって、しっかりと稼いでもらう必要があります。しかし、普通のマンションでは、これが難しくなっていきます。ところが、ミュージション川越は築12年目を迎えても、家賃をまったく下げることなく、むしろ一部の部屋では値上げしながら高い入居率を保っています。
そんな状況を知る人が、「付加価値の高いミュージションですね」とミュージションを評価してくれることがありますが、筆者はあまり嬉しくありません。なぜなら、ミュージションは「付加価値」ではなく、本物の「価値」を持つマンションだからです。付加価値と価値には次のような違いがあります。
「付加価値」=あとからでもつけ足せるもの
「価値」=あとになってつけ足そうとしても無理なもの
あとからつけ足せるものは、他の人も簡単に真似できるため、すぐに陳腐化していきます。インターネット常時接続無料、温水洗浄便座、浴室テレビ・・・。これらは価値ではなく、付加価値です。その証拠に、両方とも差別化できたのは最初だけで、今ではその分を家賃に上乗せできるほどの魅力は失われています。
これに対し、ミュージションが持つ遮音性能や、グランドピアノを置いて生活することを前提として設計された建築構造は、あとからつけ足せるものではありません。ここに、収益マンションとしての強みがあります。その強みとは、同じような物件が一気に供給されにくく、築年数が経過しても家賃が落ちにくいということです。
以下のグラフは、リクルートの賃貸情報誌「スーモ」に登録された物件の築年数ごとの平均家賃と、ミュージションの家賃の変化を示したものです。一般的な賃貸マンションの家賃は新築時がもっとも高く、古くなるほど下がることがおわかりいただけるでしょう。
一方、ミュージション川越の家賃は新築時と変わりません。それどころか、更新時に値上げをしている部屋もあります。9年目のミュージション志木も同様。これは、現在の賃貸マンション市場では極めてまれなことです。
「ここにしかない価値」なら賞味期限は切れない
投資家の多くが、利回りを考えるとき、新築の年に得られる家賃を基準にします。しかし、1年目に利回り10%だったマンションが、その後も長期にわたり同じ利回りを確保できる可能性は、万にひとつといったレベルでしょう。
筆者は、新築信仰の強い日本の建物には“賞味期限”があると考えています。建物の賞味期限というと、投資家は耐用年数を基準にしますが、実際は法律や建物の強度によって決まるものではありません。建物の賞味期限を決めるのは、マーケットです。ギリギリまで家賃を下げても入居者がいなくなったとき、それが「建物の賞味期限が切れた」瞬間なのです。
この賞味期限という概念を覆す方策のひとつとして、ミュージションがあります。はやりすたりのある付加価値ではなく「ここにしかない価値」を与え続けることができれば、いつの時代にも住みたい人は現れるのです。