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投資金額を少額に抑えた「学生ベンチャー」への投資
以前から幅広くベンチャー企業に投資をしている個人投資家(エンジェル)と雑談をした際に、興味深い話を聞きました。スタートアップは予測が難しいため、最近は一件あたりの投資金額を少額に抑え、学生ベンチャーへの投資比率を増やしているとのことでした。スモールM&Aならぬ「スモールベンチャー投資」です。これまで会ったことのないタイプの社長や、想像もしていなかったサービスが出てきていると楽しそうに話をしていました。
ベンチャー企業への投資と聞くと、高リスクなどマイナスイメージが先行するかもしれません。当然ながら不確定要素が強く、思い通りに行かないことのほうが多いでしょう。そのような状況のなかで、資金提供以外の営業面、管理面などをサポートすることにより経営全体を見ることができ、投資家としてもM&A含むスキル向上につながると思います。
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◆学生ベンチャーの低年齢化
社長は何歳から就任できるのでしょうか。株式会社をつくる場合には、代表取締役となり印鑑証明を発行する必要がありますが、その最低年齢は15歳とされています。ただし、個人事業主であれば、正直、何歳でも社長になれます。また、株式会社でも代表権を持たない社長であれば、15歳以下でも就任可能です。そもそもビジネスを遂行する上で、必ずしも「会社」が必要なわけでもありません。
業態でみると、ゲーム・ファッション・マーケティング・プログラミング・アプリ等の世界で社長の低年齢化が進んでいます。「ケミストリー・クエスト」という元素記号のカードゲーム会社の米山維斗社長は、なんと2011年、小学6年生の時に会社設立しています。現在もカードゲームは売れており、ロングセラーのヒット商品となっています。
また、学校でのいじめにより小学生から高校生まで10年間引きこもった後に、イベント集客・商品開発分野で起業した若者もいます。「起業でひきこもりから脱却」した事例です。共感を呼び、多くの支援者がいるようです。ダボス会議が認定する「世界の若手リーダー」のひとりにも選出もされ、注目の起業家のひとりです。
学習プログラム、イベント・・・増える起業体験のチャンス
◆某女子高の起業体験プログラム
品川区にある女子学院で行っている起業体験は、かなり高いレベルでの実践型プログラムです。中学時代の三年間で起業に必要な知識を学び、高校1年生で実際に株式会社を立ち上げます。
企画書を作成、利害関係者(ステイクホルダー)にプレゼンを行い、会社登記を終えた後に、資金調達まで行います。実際に商品・サービスの販売を通じ、キャッシュフローを学びます。その過程で、第一線で活躍するプロの投資家や士業からのアドバイスも受けます。さらに、決算、監査報告、株主総会を開催し利益配当、解散手続きまでリアルに行うところに、単なる体験レベルではない理念のようなものを感じます。
実際に、生徒である社員(営業ウーマン)から、商品説明を受けた機会がありましたが、自ら開発に関与しているため、何を聞いても的確に即答していました。感心を通り越して、驚いた記憶があります。
学校でリアルなビジネスやお金のことまで学ぶ必要があるのかと、批判を浴びることもあるかもしれません。しかし、世の中で通用する女性育成という学校の基本理念に基づいた、起業を通じて「お金」について体感できる優れた教育方針だと思います。
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◆広がる起業系イベント
起業を志す学生との接点は、どのようにすれば良いのでしょうか。調べてみると、筆者も知らなかった起業系イベントが多く存在することに驚きです。まずは、そのようなイベントに観客として参加してみるのが良いでしょう。
例えば、総務省が主催する「起業家甲子園」のエントリー起業をみると、IoTやICT分野などの先端技術に関連するビジネスが見受けられます。経産省、文科省が主催する「キャンパスベンチャーグランプリ(cvg)」では、ユニークなアイディアのビジネスプランがにより、すでに多くの起業家が誕生しているようです。そのほかにも、フィンランド発祥の世界最大級のスタートアップイベント「Slush(スラッシュ)」、地方活性化の一環で「日本一起業しやすいまち」を目指す仙台の「SENDAI for Startups!」等、それぞれ特色をもったイベントが全国で開催されています。少なくとも、私が学生時代であった20年前にはなかった動きです。
◆おせっかい型ベンチャー投資
投資を受ける側としては、あまり経営に口を出して欲しくないというのが一般的な本音です。ただし、ビジネスとして成立するためにはクリアすべき多くの壁を乗り越える必要があります。支援は資金提供だけではありません。ビジネスマンとして経験したスキルや人脈は、特に若いベンチャー企業にとって非常に貴重なアドバイスになることもあります。事業分野において必ず成功するという法則は存在しませんが、こうすれば失敗するという法則は、客観的な立場だとよく見えるものです。
株式会社の起源は、1602年設立の東インド会社と言われています。胡椒や香辛料を求めての大航海は、海賊からの襲撃、暴風雨による難破、疫病への感染などリスクの高いものでした。無事に帰還する確率は20%程度だったそうです。とはいえ、ベンチャー企業の生存率も同じようなものかもしれません。
若者がビジネスの大海原に出て行く時、多くの障害があるはずです。その支援を通じて、投資家自身も感度が高まり多くのことを学ぶはずです。敬意を持って若者に接し、おせっかいをしながらエールを送ることで、お互いが成長できるに違いありません。スタートアップで苦労した経験を持つ起業家は、将来、優秀なスモールM&Aの買い手になる可能性があります。こちらについては、また別の機会にでも論じてみたいと思います。
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