2018年2月20日、保有額は3,220億ルピーにまで減少
外国人投資家は、マイトリーパーラ・シリセーナ大統領とラニル・ウィクラマシンハ首相の間での権力争いや地方議会選挙での大敗に嫌気を示し、スリランカ国債のポートフォリオを縮小しはじめている。
スリランカ中央銀行のデータによると、一部の外国人投資家は地方議会選挙の世論調査が行われる1週間前の2018年1月30日から2月7日までに、ポートフォリオを3,300億ルピーから3,240億ルピーにまで縮小した。2018年2月20日に保有額は3,220億ルピーまで減少したが、外国人投資家の持ち株の変動は起こるものだとディーラーは語る。
国債利回りは1月頃から上昇をはじめ、3週目にシリセーナ大統領が経済運営を掌握すると述べた後に急騰した(大統領の爆弾発言後、スリランカ債利回り上昇、株安)。
ディーラーも世論調査の前に国債の保有を削減しており、不確実性の高まりが金利を上昇させている。
ディーラーによると、統一国民党の経済運営に対する評価は2015、2016年予算で打撃を受けたが、マンガラ・サマラウェラ氏を財務大臣とし、エラン・ウィックレマラテネ氏を副大臣にすることで投資家の信頼感を高めた。
国際収支危機により、投げ売りされたスリランカ国債
2015年4月、中央銀行による金利引き下げに伴う国際収支危機で、外国人投資家はスリランカ国債を投げ売りした。しかし、インドラジット・クマラスワミ中央銀行総裁が金融政策を引き締めると、2017年4月頃から市場へ戻ってきた。2017年3月までにスリランカ国債に対する海外投資は1,960億ルピーまで減少していたが、2018年1月30日には3,300億ルピーまで回復した。
2018年2月、2週間ものあいだ、中央銀行は国債を買うための紙幣増刷はしておらず、民間部門の信用が弱いなか、ルピーも安定していた。中央銀行が国債を購入し、人工的に銀行準備金を金融システムに流さなければ、銀行は国債を購入するか預金を用いて信用供与することになる。
中央銀行が国債入札やリバースレポ(買い戻し条件付き債券売却)を行い実質預金以上の流動性を注入することで、銀行は与信を得ながら国債を購入できることになり、国際収支危機を引き起こすだろう。