まずは会社と顧客の関係性を分類し、売上を予想
前回の続きです。
まず会社とお客様の関係性を分類して考えます。
①足で稼いで、お客様を獲得する(狩猟型)
②ひたすらお客様が来るような仕掛けをして待つ(漁業型)
③お客様を育てる(農業型)
④複合型
①狩猟型・・・建設業や製造業の下請けが当てはまります。創業計画の段階から買ってくれそうな相手にヒアリングを行い、サンプルやカタログ等を持参してアピールしましょう。注文の可能性が高い取引先順に3社程度リストアップし見込み客リストを作成し創業計画書に書き込みましょう。
②漁業型・・・小売店や飲食店のように不特定多数の一般消費者をターゲットにしているパターンです。Webで集客したり、通信販売やインターネット販売をする場合は消費者一人ひとりの見込み客リストを作ることもできません。そこで以下の2つの方法で販売数を予想していきます。
商圏内人口の予測方法は、実際に現地に足を運び人の流れを調査したり、出店を予定している商業施設の関係者に問い合わせるのが一番です。
客席稼働率は店の種類にもよりますが、60%から80%で計算するのが一般的です。例えば4人席テーブルがあったとして、すべてのテーブルが満席になったとしても、常に4人組のお客様が来店するわけではないからです。すべてのテーブル席が満席になったとしても、空いている席は2割から4割はあると想定します。1日の目標回転数は、1時間あたりの予測回転率にお店のオープン時間をかけて計算します。
収支計画は、固めに予測し最悪の場合でもその事業を継続できる値を算出します。売上を予測するときは、安全率(固めに予測するための歩留まり)として、さらに2割から6割少ない数値で見積もります。
[図表1](例)
1年目売上目標
2年目以降の売上目標
③農業型・・・セミナー受講者の中からカウンセリングのお客様を獲得したり、メルマガなどで会員を募り、その中からコンサルティングのお客様を獲得するようなパターンです。この場合はいったん顧客になると固定客になる確率が高いので、中長期的に見ると安定的な売上が見込めます。
明確な根拠を示して数字を算出すると融資を受けやすい
算出した数字に根拠を持たせることができれば、説得力が上がります。事業計画書のデータを効果的に使い、説得力のある説明をすれば、融資可決までのハードルは大幅に低くなります。
それには根拠を明確に示して説得力を上げることが重要です。可能であれば、顧客からの注文書や基本契約書のコピーを添付しましょう。それが無理であれば、案件リストや見込先リスト、営業先リストを作成します。案件や営業先ごとに、具体的に営業先の部署や担当者、受注確度などを記載すれば、説得力は増します。
飲食店のように注文書などの作成が困難な業種の場合は、過去の経験を用いて説得力を上げます。例えば、「前職で店長をしていた時代に○○店をオープンさせた経験から、当初1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目には○○円程度の数字が可能なことが想定できます」というようなデータを作成します。その分野において、融資担当者よりもあなたのほうがプロなのですから、自信を持って訴えましょう。
[図表2]根拠を示す