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外資系企業の日本法人での「イントラネット」構築のプロセス

前回は、日本企業の競争力喪失を招いた、「情報系ITシステム導入の遅れ」を考察しました。今回は、著者が外資系企業の日本法人で「イントラネット」構築したプロセスなどを紹介します。

個々の社員が「協力し合おう」という気持ちを持つ

私がノバルティスファーマに勤務していた10年間で、全社で情報を共有しようとする習慣が根づいたと思います。これはグローバルな外資系企業だからというよりも、個々の社員が協力し合おうという気持ちを持っていたからかもしれません。

 

イントラネットを構築したときに、最初にマーケティング部門の方々がすぐにその必要性を理解してくれました。続いて広報の協力で財務本部長とCIO(情報化統括責任者)がよき理解者となり、OKを出してくれ、私が入社して1年後には全社としてプロジェクトを推進できる体制がほぼ整っていました。

 

実際にプロジェクトを進めていく中で、トップを含めて全社のイントラネットに対する期待はさらに高まっていきました。

自ら発信して、リーダーシップをとっていくことが必要

グローバル企業は海外にある本社の人事部門が主導する異動がたびたびあります。会社という組織の中で、グローバルな階層は当然あり、本社の担当者が代わると業務方針も変わります。

 

だからといって言われた通りにやっていたのではなく、グローバルの方針があったとしても、日本ではこうしてきたから譲れないという意識を持って戦わなければならないことが何度もありました。SEO、ユーザビリティー、アクセシビリティーはその代表格でした。そういう環境のもとでいかに仕事をして目的を実現し、成果を出し続けていくかという、緊張感を伴う毎日でした。

 

しかし日本法人のトップも、直属の上司のマーケティング本部長も、「本社に対して君が日本法人の代表として方針を説明して進めてきていい」と明言してくれました。上司の方々のこの言葉にとても励まされました。

 

実際に私たち日本のウェブサイトは、コーポレートサイトも患者さん向け疾患啓発サイトもともにグローバルの中で最もガバナンスに成功しました。その結果、患者さんへの情報提供を世界で最も正しく効率的に行っていた国として、社員・マネージャーの誰もが自信を持って言えた背景がありました。

 

その頃アメリカをはじめ多くの国では同様の取り組みを行っていましたが、同じ仕組みに多額の費用を使いながらも成果が出ていませんでした。トップマネジメントの後押しがあり、CIOや医薬品事業本部担当のIT部長の強いリーダーシップと協力があったから、様々なIT施策を行い運用することができたのだと思います。

 

外資系企業は、組織の縦割りは強固なこともありますが、内向き志向がなく黙っていて誰かから指示を受けるのではなく、自ら発信してリーダーシップをとっていくことが必要になる会社が多いのではないでしょうか。

株式会社インタラクティブソリューションズ 代表取締役

明治薬科大学卒業、薬剤師免許取得。1990年、日本ロシュ(現中外製薬)に入社。2000年、ノバルティスファーマ入社。製薬業界で初めて製品情報提供サイト、2000人を超える営業社員向け社内イントラネットを使ったマーケティング情報系のガバナンスも統括。2010年、インタラクティブソリューションズを設立。企業向けタブレットソリューション提供、高度暗号化ソリューション、デジタルコンテンツ作成などを行う。
2010年、厚生労働大臣賞、2014年MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)優秀プロダクトを受賞。

著者紹介

連載「営業マン総一流化」を実現する企業のICT革命

本連載は、2016年12月13日刊行の書籍『最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

 

最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略

最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略

関根 潔

幻冬舎メディアコンサルティング

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