ドキュメントをまとめるなど、引き継ぎ体制を万全に
Webサービスの売却を視野に入れている起業家の方も最近は多いのではないかと思います。しかし、高く売却するには、やるべきテクニックがいくつかあります。今回はテクニックの一部をご紹介します。
1.コードやデザインのドキュメントをまとめておく
売却する際に、エンジニアやデザイナーが買収先に移動しない場合は、必須です。引き継げる体制作りを心がけましょう。ペルソナに関するデータなどもまとめておくと引き継ぎやすいので、事業を運営する上で見えてきたインサイトもドキュメントとして残しましょう。
コードやデータベースの設計がめちゃくちゃだと、売却が難航するケースがあります。
2.外注した場合、権利関係をチェック
システムを外注した場合、所有権を発注者にする旨を記載してない場合がたまにあります。所有権の記載がない場合、受注者に対して新たに契約書を巻き直す必要があるので要注意しましょう。特に記事の外注をする際に所有権の記載がない場合が多いことと、クラウドソーシングなどを使うと契約もまかないことが多いので、よくチェックしましょう。
3.外注先・スタッフを引き継ぎやすい体制に
ライターなどの外注で事業が回っている場合、外注先に売却後もオペレーションしてもらえるようにしっかり引き継ぎ体制を作ることが重要です。
4.売り上げ、費用、KPIをまとめる
実際にM&Aをする際に準備することが多いですが、売り上げ、営業利益、PV数、CVR、CPA、会員数などといったKPIもまとめておきましょう。
成長率は、特に重要なので、高い成長曲線を描けるように事業を運営していくことがカギです。
5.適切なアドバイザーに相談しよう
Webサービスに関するM&Aは他の業種に比べ、特殊な指標を使って売却することが多いため、専門性が必要となります。既存のM&AアドバイザーはWebサービスの知見がなく、売却のシーンでも買い手の方が詳しいみたいなことがあったりします。実際にWebサービスなどを売却する際は、どんな実績があるかを聞いた上でM&Aアドバイザーを選ぶことが大事です。
言語設定や無断転載、利用規約の内容には要注意
6.言語に注意しよう
買い手が売却予定のサービスの言語に知見がない場合、引き継ぎ体制としてエンジニアが買収先に移動することが鍵になります。マイナーな難しい言語を選んで作った場合は、それができる技術の会社に売却することが必要になります。
7.売却のニュースを要チェック
売却額の相場を知るために、似ているサービスの売却ニュースが国内外であった場合は、その事例が大きな交渉材料になります。ニュースがあった際は、どんな会社がどんな意図で、どれくらいの価格で買ったのかをサービスの規模も含めてメモしておきましょう。
8.無断転載などには要注意
他者のサイトにある写真やテキストを無断転載する場合は、大きな問題になる可能性があります。某大手IT企業が運営していたキュレーション事業などが非常に問題になり、運営者の引責問題にまで発展した事例も新しいです。すでに社内で確認している場合、買い手には包み隠さず伝えましょう。また、テキストも言葉尻を少しいじってリライトするだけでも問題になる可能性がありますので注意しましょう。
9.利用規約をチェック
実際にサイトやアプリの売却をする際、利用規約が不十分で、ユーザーの権利を侵害している場合があります。売却する際は、利用規約も買い手のチェック対象になりますので要注意です。スクレイピングなどで、他社のサイトなどからコンテンツを引用している場合や、決済機能などを持っているサービスを運営している場合特にチェックが必要です。