厚生年金のほかにも、個人年金などの積立の準備を
最近ではお一人さまの老後が増えています。お一人さまの年金には未婚・離婚・死別の3つが考えられます。死別については、『ファイナンシャルプランナーが教える終活デザインブック』に詳述してありますので、そちらを参照ください。
(1)未婚の場合
未婚の場合は男性も女性も同様です。公的年金に関しては、しっかりとした厚生年金に長期間加入していることが必要です。
お一人だと病気や介護、将来の健康や孤独への不安があります。厚生年金のほかにもご自身で個人年金などの積立や、医療保険に加入しておくなどの自助努力をしてください。持ち家かどうか、貯金などの大切なものの管理、親戚などとのつきあいやその連絡先、その他も、整理・保管できることは早めにしておきましょう。
未婚の方に限りませんが、老後に考えられる孤独に備えて、友人や趣味を積極的につくりましょう。このことは、男性より女性のほうが得意ではないでしょうか。
離婚時に「妻の貢献度を認める」離婚分割
(2)離婚による年金分割
①離婚分割
この制度の導入背景には、特に熟年離婚の場合における夫婦間の不公平をなくすための意図があります。夫が会社員として働き収入を得ている間、妻は専業主婦として家事を行い夫を支えてきました。夫婦2人で力を合わせて、厚生年金保険料を支払ってきたことになります。
この制度は、離婚時に妻の貢献度を認めるものであり、厚生年金に限り(国民年金や基金などは含まない)婚姻期間中の年金保険料の納付実績を分割する制度です。
離婚分割には、合意分割と3号分割の2種類あります。混同しやすいので図表に整理しました。
[図表]離婚による年金分割
②離婚分割で間違いやすい点
●厚生年金保険の婚姻期間中の年金分割
●合意分割と3号分割の違い、離婚日と対象期間、請求手続きと分割割合
●請求期間は離婚日の翌日から2年以内
年金制度は、以前は加給年金など専業主婦向けに思えました。最近では、離婚分割をはじめ、女性の自立に向けたものになっているのかもしれません。