意外と臆病⁉ 凄腕トレーダーが語る相場への「対応力」とは?

今回は、凄腕トレーダー通称“YEN蔵“氏が、相場への「対応力」とは何かについて解説します。※本連載では、投資顧問会社「林投資研究所」代表取締役 林知之氏の著書『凄腕ディーラーの戦い方 億を稼ぐトレーダーたちⅡ』(マイルストーンズ)から一部を抜粋し、普段は表舞台にあまり出ることがない凄腕ディーラーたちに林知之氏が直接インタビューして聞き出した、株式投資で勝つためのリアルな「相場哲学」を紹介します。

短期的に大儲けできる投資商品は絶対にない

─話を聞いていて感じるのは、YEN蔵さんの相場に対する柔軟性です。

 

林さんが実践したり教えているような姿勢と比べると、すごく柔軟なのかもしれません。

 

実際のトレードにおいては、時間軸が短くて手数(てかず)が多いのでしょう。トレードするうえで、「決め球をいくつも持ちたい」というイメージがあります。〝スキャルピング〟に分類されるような超短期の張り方はしませんけどね。

 

短期的に大儲けしようという人がいますが、そんな投資商品は絶対にありません。そんなあり得ないことを想像させる情報が活発に飛び交うのがマーケットですが、決して惑わされずに自分のトレードスタイルを確立することが大切です。

 

でも、そのスタイルを駆使して、いろいろな金融商品にチャレンジして決め球の数を増やしていくのが成長で、長続きにもつながると考えています。

 

─やはり、引き出しが多いと感じますね。

 

常に「対応力」を大切にしています。為替の世界では顧客の玉を受けて大幅マイナスでスタートさせられる、なんてことが当たり前なので、そこからどうするのかって考えるわけです。

 

あるいは大手が動くことで方向性が決まっちゃうから、自分の読みなんか関係なく、そのフロー(流れ)についていくしかないとか。

 

例えばドイツ銀行に買収された「バンカース銀行」は、少数精鋭でバカでかいポジションを動かすことから一目置かれる存在でした。僕も、「すごいヤツらだな」と感じていました。

 

頭取自らが「カネ貸して潰れた銀行はあるけど、投機で潰れた銀行はない」なんてうそぶいて、すごく積極的なトレードをする集団だったのです。

 

そんな世界にいたからなのか、常に状況への対応を意識します。チャートを見て売り買いしますが、「読んで当てる」のではなく対応です。チャートは、ポイントとなる場所を示してくれるだけですから。

儲からないときは素直に休む

─トレードで最も注意している点は何ですか?

 

儲けたあとの姿勢、ですかね。負けたときに取り返しにいくことよりも、勝ったあとにさらに取ろうとする姿勢が大きな危険をはらんでいると思うんです。

 

うまくいったあとは「次も」ということでトレードサイズを膨らませたくなりますが、気をつけないと対応できないレベルになっちゃう。どこが適正なのかという基準を決めるのは難しいのですが、儲けて気が大きくなったときでも、儲けた額をすっ飛ばすのを限度にして、それ以上にヤラレないようにしておくことが重要だと思っています。

 

─例えば1000万円が1億円になったとすると、すぐに10億円を意識してしまうのが一般的な発想ですよね。

 

そうでしょうね。ですが、10倍になったから「さらに10倍」と考えたって、その通りにはいきません。9000万円儲けた実績で9億円を取りにいくということですから。

 

膨らませてもいいけど、そのあとの状況に応じて縮小できるかどうか、つまり限定的に膨らませることにとどめられるかどうか、なのかもしれません。

 

僕自身のトレードを振り返りながら、チャンスのときにもっとサイズを膨らませてもいいのかなと感じながらも、意外と臆病に抑えています。

 

でも、儲かると思ったら必ず建てるようにしています。そうしないとリズムが壊れますから。

 

また、儲からないときは素直に休むということも確実に実行しています。

 

─変化への対応ですね。

 

相場がどうなるかなんて、わかりませんからね。ビジネスモデルを見て投資するって言いましたが、1年後にガラッと変わっていたって不思議でもなんでもありません。

 

だから為替について値幅で考えたとき、例えば「チャートが語っているから10円上がる」なんて発想は全く理解できません。せいぜい、1円、2円、3円というところじゃないですか、読めるのって。それを取って利益を積み重ねていくだけです。

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    投資顧問会社 林投資研究所 代表取締役

    1963年生まれ。幼少のころより投資・相場の世界に慣れ親しみ、株式投資の実践で成果を上げながら、独自の投資哲学を築き上げた。

    中源線建玉法、FAI投資法を中心に、個人投資家へのアドバイスを行っている。また、投資助言、投資家向けセミナー等を精力的に行うかたわら、投資情報番組「マーケット・スクランブル」のコメンテーターも務めている。林投資研究所の創設者である故・林輝太郎は実父。

    【林投資研究所YouTubeチャンネル】
    https://www.youtube.com/channel/UCdRYlOYZg1Z0LTQ5SbVYQnw
    ⇒過去の生放送(マーケット・スクランブル)や、正しいプロの考え方を学ぶ短時間動画を続々公開!

    【主な著書】
    『うねり取り株式投資法基本と実践』
    『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』
    『プロが教える株式投資の基礎知識新常識』
    (以上、マイルストーンズ刊)

    『【徹底解説】FAI投資法完全ルールブック』(林投資研究所刊)

    著者紹介

    株式会社イタヨミ 代表取締役会長

    米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で合計20年以上にわたって為替ディーラーとして活躍したあと、投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCEを設立。“ YEN蔵” の名で親しまれ、セミナーや講演等を精力的にこなすかたわら、ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」は、個人投資家にも人気を博している。ドル、ユーロなどのメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨のディーリングについても造詣が深い。2016 年、坂本慎太郎氏とともに株式会社イタヨミを設立し、現在は同社の代表取締役会長を務める。

    著者紹介

    連載知恵と戦術で「億」を稼ぐ! 凄腕ディーラーに学ぶ株式投資術

    本連載は、林知之氏の著書『凄腕ディーラーの戦い方 億を稼ぐトレーダーたちⅡ』(マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、出版社および幻冬舎グループはその責を負いません。

    凄腕ディーラーの戦い方 億を稼ぐトレーダーたちⅡ

    凄腕ディーラーの戦い方 億を稼ぐトレーダーたちⅡ

    林 知之

    マイルストーンズ

    相場で生き抜くための知恵と戦術。ほんとうに相場で生計を立てている人のホンネ、表舞台にあまり顔を出さないスゴ腕ディーラーたちの相場哲学を凝縮した「珠玉」のインタビュー集。

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