今後の投資に生かすヒントとなる「失敗パターン」
実際にFXをはじめてみると、思惑どおりに為替が動かなかったり、予測できても利益が思うように上がらなかったりするなどの悩みが出てきます。
FXで失敗する人には、「急な変化に対応できない」「市場を確認せず放置してしまう」「いつでも取引したくなる」「欲張る」などの投資のクセがあります。
一方、FXで稼いでいる人には、「投資するポイントをきちんと見極めている」「大勝ちを狙わず地道に利益を重ねている」などの共通点もあります。本連載ではこうしたトレーダーたちの成功・失敗事例を解説することで、今後の投資に生かすためのヒントを紹介しています。
失敗パターンを覚えておくことは特に重要で、現在、FXで利益を上げている人たちもはじめからうまくいったわけではなく、失敗を積み重ねて、徐々に多くの利益を獲得できるようになったのです。失敗経験は同じ過ちを繰り返さなければ、それが成功への近道になるので、ぜひ参考にしてみましょう。
予想外のトランプ当選で大きな損失を抱えることに…
アメリカでサブプライムローン問題が発覚(2007年)するまで株式投資を行なっていたAさんは、当時の株式暴落による損失をきっかけにFXに参入。手堅く利益を得ていたものの、手痛い損失を出してしまいました。
当時Aさんは、為替に大きな影響を与える経済指標(主にアメリカ)が発表された直後、市場が大きく動くタイミングを狙ってFX投資を行なっていました。Aさんはトレンドに乗って取引を続けていましたが、2016年11月9日、Aさんが後に「運命の日」と呼ぶ「アメリカ大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利した日」に事件は起こりました。
この日の午前、事前の予想を覆して、ドナルド・トランプ氏が当選するかもしれないという情報が世界を駆け巡りました。
Aさんは1米ドル=102円50銭で20万ドル売りの逆指値注文を出して外出しました。その後ドル安は進み、101円台前半まで進行しましたが、今度は1時間もしないうちに急反発します。夕方、帰宅したAさんがチェックしたときは1米ドル=103円超まで戻していました。
Aさんは慌てて買い決済しましたが(1米ドル=103円60銭)、損失はすでに22万円ほどまで達していました。
激しい値動きが予想されるときは「自動売買」を活用
【急激な値動きに対応できなかったAさん】