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高齢者を「1億総活躍」の一員へ・・・地域医療の取り組み

前回は、地域包括ケアシステムにおける「地域医療連携推進法人」の役割を紹介しました。今回は、高齢者を「1億総活躍の一員」とすべく尽力する、地域医療の取り組みを見ていきます。

高齢者の地域貢献は、医療費削減の効果に繋がる

元気な高齢者が増えれば、その力を地域で発揮してもらうことが次の段階です。実際、高齢者とひと言でくくることが申し訳ないほど、元気で快活な高齢の方はたくさんいます。

 

これまで寝たきり状態だったような高齢者が健康を取り戻すことができれば、家族が介護離職の状態から解放されることのみならず、高齢者自身が地域のボランティア活動に参加することで、本当の意味での「1億総活躍」の一員として活躍してもらうことも期待できます。

 

病院内でのつき添い、独居高齢者宅の家事手伝い、子どもたちの通学路の見守り、地域の美化、子育て支援など、ボランティアをとおして高齢者が地域住民と関わることで、高齢者は地域のなかでなくてはならない存在となるのです。

 

高齢者側にとっても、ボランティアなどのかたちで地域に貢献することは、「社会に役立つ」「経験や能力を活かせる」「人とのコミュニケーション」など、生きがいのひとつになり、心と身体を健康に保つ要因にもなるのです。高齢者が健康を維持できれば、自立した生活を送ることのできる高齢者が増加し、医療費や介護保険給付の削減にもなります。

 

[図表1]60歳以上の人がボランティアに参加する理由

出典:財団法人 経済広報センター「ボランティア活動に関する意識・実態調査報告書」より
出典:財団法人 経済広報センター「ボランティア活動に関する意識・実態調査報告書」より

 

高齢者の活躍の場を生み出す「自立した生活の支援」

そうしたボランティアの場所として、病院や介護施設を提供することも、医療従事者や介護従事者に課せられた役割のひとつとして認識しなければなりません。

 

ボランティアを導入するためには、衛生面、個人情報の保護、利用者の理解など、クリアしなければならない壁も多々ありますが、それを乗り越えた先には、病院や介護施設を地域住民と共にある場所に変化させることができるはずです。

 

高齢者に適切な医療・介護を提供し、自立した生活を支援するために活躍の場を生み出す。こうしたよい流れをつくり、地域とつながるための努力を惜しまないことが、地域医療のあるべき姿なのです。

 

[図表2]住みやすい地域づくりのために最も大切だと考える活動

内閣府「平成22年度国民生活選好度調査結果」
内閣府「平成22年度国民生活選好度調査結果」

 

医療法人清水会 理事長
相生山病院 院長 医学博士

1970年10月ニューヨーク生まれ。1歳半で帰国し、以後名古屋で育つ。
1989年愛知県立旭丘高等学校卒業。1996年藤田保健衛生大学医学部医学科を卒業後、1998年より名古屋第一赤十字病院循環器科へ赴任。翌年に藤田保健衛生大学医学部循環器内科に帰局し、内科認定医、循環器専門医を取得。
2007年、相生山病院副院長に就任、2013年には院長に就任。「患者に寄り添う医療」をモットーに、看護師や医師の対応、サービス等を改善するなどホスピタリティ向上に尽力している。
2016年3月、医療法人清水会理事長に就任。現在は高齢患者の健康寿命を延ばすため、認知症かかりつけ医・認知症サポート医として認知症予防や運動療法の普及にも積極的に取り組んでいるほか、介護施設も多数運営。地域で先駆けて「地域包括支援センター」として市の委託事業に参画。地域の医療・介護サービスの充実を目指している。趣味はトライアスロン。

著者紹介

連載高齢者のための地域医療――「地域」と「医療」の連携で取り組む体制作り

 

 

医療・介護連携で実現する 高齢者のための地域医療

医療・介護連携で実現する 高齢者のための地域医療

佐藤 貴久

幻冬舎メディアコンサルティング

2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となり、全国民の3人に1人が65歳以上になると予想されています。これまでと同じ医療体制を続けていては、高齢者は自分の望む最期を迎えられないばかりか、増える高齢者によって医療費が膨…

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