今回は、不動産投資における「物件の値下がりリスク」回避のポイントを見ていきます。※本連載では、不動産投資のプラットフォーム開発を主な事業とするプレミアムバリューバンクの取締役社長・北野孝氏の著書、『究極の不動産投資成功の教科書』(経済界)の中から一部を抜粋し、不動産投資の成功に不可欠な「リスク戦略」をご紹介します。

人気物件の空室は、管理の問題であることがほとんど

不動産投資において、最も大きなダメージを与えるのは空室リスクです。家賃収入のあるなしに関係なく、管理費や税金などの経費は継続しますから、空室が多くなると支出が収入より多くなることもあります。

 

このリスクは常に存在します。現在満室でも、明日、入居者が退去を申し出るかもしれないからです(借主は通常1カ月前に予告)。

 

したがって、空室リスクは不動産投資においては、当たり前のことと考えなくてはならず、満室であっても空室リスクを頭に入れながら経営に当たる必要があるのです。

 

空室リスクを極小化するためには、まず入居者に人気のある物件を持たなくてはなりません。しかし、なかには入居者に人気のある物件であっても、空室問題を抱えている物件があります。その場合は、ほとんど管理自体に問題があることも考えられます。

 

例えば、入居者が退去した後で、汚れた部屋のリフォームをしないなど、物件の魅力を維持、あるいは高める努力がないのです。壁が汚れていたり、水回りから異臭がするような部屋では、誰だって早く退去したいですし、新しい入居者も現れません。

 

建物や部屋は、不動産投資にとって商品そのものです。

 

商品の魅力が引き立つよう、絶えず心配りするのと、気にかけないのとでは、客(入居者)を集める物件の力が大きく異なってくるのは当然です。また、その意味では不動産管理会社の管理能力も大きく影響してきます。

安易な賃下げは行わず「物件価値」を高める努力を

空室が続くと、多くの投資家が家賃の値下げを考えます。むろん、いつまでも空室のままで置いておくよりは、少々家賃を下げても部屋が埋まるならばそのほうがいいでしょう。しかし、安易に家賃を下げる方向で解決を図ると、デメリットも生じます。

 

家賃の価格と入居者の質は、一定の相関関係があると言われています。つまり、家賃を下げると入居者の質が落ちて、結果的に入居者トラブルや滞納案件が増えてしまう危険性もあるのです。

 

それよりは、むしろ入居者を募集する管理会社と相談して、部屋の魅力を高めるリフォームやリノベーションを考えるほうが、長い目で見て良い結果を招くことも多いでしょう。

 

不動産の価値を絶えず高める努力を続けていけば、持っている投資物件の値下がりリスクを避けることもできます。投資物件といえども、愛着を持ち、心配りして維持管理していかなくては、空室率が高くなり、どんどん値下がりします。

 

不動産投資は家賃収入をもとに安定的な「賃貸経営」を続けることが重要ですが、なかには、売却(出口戦略)を考えて経営に当たる投資家もいるでしょう。その場合でも、やはり物件の魅力を高める、普段の経営努力が不可欠です。

 

例えば、2000万円で購入した物件を、15年後にローンが完済して売却した際、買値を下回る価格でしか売れないのか、逆に購入価格を超えた値段で売れるかは(そのときの市場状況にもよりますが)、基本的に、物件管理をきちんと行い、満室経営が行えたかどうかにかかっていると言えます。

 

というのは、不動産投資の場合、確かに建物の価値は年数とともに下がりますが、その不動産が生み出す収益がどうであるか、という「収益還元法」で実際の価値が計られるからです。つまり、その物件の収益性がポイントになるわけです。築年数や路線価がどうかといったこと以上に、収益性がモノを言うのです。

 

建物の値下がりリスクを失くすには、一にも二にも収益性を高めていくこと、つまりきちんと管理して、商品の魅力を高め、いつも満室状態をキープしていくことです。売却時に、これからも入居者の確保が確実視され、家賃が滞りなく入ってくると市場に認知させることができれば、築年数に関係なく高額で売れる可能性もあります。

 

建物の値下がりリスクは、良い立地、良いエリアの物件を手に入れることはもとより、こうした投資家の努力によって、十分に回避することができるのです。

究極の不動産投資成功の教科書

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