今回は、創業融資や補助金を獲得するための「人員計画」の記載法について見ていきます。※本連載は、戦略コンサルタントとして地域活性、事業再生、販路拡大、補助金活用など幅広い分野で企業経営者に戦略指導を行う辻・本郷 ビジネスコンサルティング株式会社専務取締役・若狹清史氏の著書『創業補助金』(東峰書房)の中から一部を抜粋し、創業時の補助金申請に必要な事業計画書の作成方法について解説します。

人員計画は「雇用創出効果の有無」が焦点に

この先どんな規模で事業を展開していくことを想定していますか? 資金面、経営方針の2つのアプローチ方法があります。たとえば、整体サロンの開業をするとします。

 

(1)自分ひとりが生活していけるだけの売上を確保したい。施術は1人で行い、せいぜいアルバイトを1人雇用する程度で考えている。プライベートの時間とのバランスを取りながら事業を展開し、売上増加に向けて積極的な事業展開は考えていない。

 

(2)従業員を増やし、会社を大きくしていきたい。お客様も従業員も幸せになれるような経営をしていきたい。

 

事業を展開する上で、何を目指すかによって異なります。どちらも正解です。ただし、創業融資や補助金の審査のために提出する事業計画書では、人員計画は重視される項目です。それは国民の税金を投入した上で行われる公的支援であるからです。

 

起業家が新しい事業を作り出したときに得られる社会的なメリットのひとつに雇用創出効果があります。雇用が創出できるならば、税金を投入する公的支援として更に意義深いものとなるからです。今後の経営方針を明らかにする上で、人員計画については大変重要な記載事項になります。アルバイトは何人採用するのか、従業員を積極的に採用して事業を拡大していくのか、どの時点で何人採用するのか等具体的に記載しましょう。

 

[図表1]人員計画

協力者として各分野の優秀な人材をアピール

経営をするには、自分が経験してきた以上に幅広い知識や技能が要求されます。たとえば、大企業の社長であっても、経理の経験がない、営業の経験がないといったことはありえます。つまりひとりの力には限界があるのです。

 

すべてのことをひとりでやろうとせずに、自分が得意なことに集中し、自分が不得意なことは、それが得意な誰かに任せる方が合理的で、ビジネスを加速させることが可能となります。起業家自身の経験やノウハウはもちろん重要視されますが、周りの協力者をガッチリ固めているかも審査のひとつです。

 

各分野の優秀な人材に支えられているのであれば、金融機関としては安心して融資をすることができるのです。またそのような人たちに応援されるということは、人物的にも信用できる人物だと想像できます。今回の起業に協力者がいるのであれば、具体的に書いてアピールしましょう。

 

[図表2]協力者リスト

 
受かる!補助金・助成金シリーズ 創業補助金

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若狹 清史

東峰書房

定款・印鑑・登記・各役所への届出・銀行口座の開設。初めて起業する場合、あまりの量の手続きで他のことは後回しになりがちです。 でも忘れちゃいけないのは資金について。いくらいいビジネスモデルでも、開業資金がままなら…

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