まずはライバルがいない「ブルーオーシャン」で勝負
●提供するサービスの立ち位置はどこか…
販売価格はいくらですか? 価格は平均より高い? 低い? 商品・サービスのクオリティは普通? 良い? 扱っている商品・サービスはめずらしい? ありきたり? 商品・サービスの価格帯とクオリティを総合的に見たときに顧客から見て、値頃感はありますか? ターゲット客層が使えると想定される予算から見て、無理なく買える価格といえますか?
その他の項目も市場の競合他社と比較して、どんな位置を目指すのか決めておく必要があります。なぜなら、値段はお客様が商品やサービスを購入する動機付けに最も大きな影響を与えるからです。何の工夫もなく激しい競争の中で起業したての会社が生き残るのは至難の業ですので、無計画にレッドオーシャン※を目指して勝負するのではなく、アイデアとニッチを考えてレッドオーシャンに挑むのもひとつです。ただ、創業時はできる限りライバルがいないブルーオーシャン※を模索し、そこで勝負をしましょう。
※レッドオーシャン……競争の激しい既存市場のこと
※ブルーオーシャン……まだ誰も参入者がいない競争の無い新たな市場空間のこと
失敗事例としてありがちなのは、ポジショニングを考えずにライバルだらけのゾーンで勝負してしまうケースです。例えば、大手企業が多数参入しているファーストフード店と競合するような店を、すぐ近隣で出店してしまうというケースです。何の工夫もなくレッドオーシャンで大手企業と張り合っても勝てる見込みは少ないです。
だからこそ、市場全体の今の情勢や近未来の情勢をよく分析しましょう。競合他社がどんな展開をしているのか、市場をよく見極めましょう。ポイントは他社にないような自社の強みを活かしたときに勝てるゾーンを見つけることです。
「買い手目線」の発想を意識
また、絶対に意識しておくべきことは、売り手が売りたい商品・サービスを市場に出すのを優先するプロダクトアウトの発想はしないことです。プロダクトアウトとは売り手目線で商品、サービスを市場に提供することです。選ぶのはお客様です。「いいものが売れるのではなく、売れるものがいいもの」ですから、まず市場のニーズを調べ、それを満たす商品・サービスを提供するマーケットインの発想をすることです。
最近では世界市場で日本製品が売れず、中国、韓国製品に押されている理由がここです。
それにはターゲット客層へのヒアリングなどを通じて、お客様に直接、徹底的に答えを聞いてしまうのが確実です。お客様のニーズやウォンツを満たすことに注力しましょう。
[図表1]
[図表2]
●値段設定の方法3つ
①積み重ね
②比較
③お客様目線
・積み重ね方法
製造コスト・仕入コスト、販売コスト、物流コスト等を積み上げていき、最後に自社の利益を乗せて値段を決める方法です。この方法のメリットは自社の利益を確保できるという点ですが、競合他社に比べて値段が高くなりがちです。商品に独自性が無ければ、価格競争で負けてしまうでしょう。
・比較方法
同業他社の類似商品の価格と比較して価格を設定する方法です。すでに低価格商品が市場に出回っている場合には、徹底した合理化によりコストダウンが必要です。この方法は価格競争に巻き込まれがちで、自社の利益を確保しづらいデメリットがあります。
・お客様目線
もし自分が顧客だとしたら、この値段で購入するかどうかという視点で価格を決定します。