今回は、安定した家賃収入をもたらす「お宝物件」の条件について説明します。※本連載は、収益不動産経営コンサルタントの三木章裕氏と、一般社団法人全国古家再生推進協議会の理事長などを務める大熊重之氏の共著、『儲かる! 空き家・古家不動産投資入門』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋し、「空き家・古屋物件」の選び方&買い方を、事例をもとに探ります。

初心者におすすめの「オーナーチェンジ物件」

不動産物件で言われる「お宝物件」とはどういうものでしょうか?

 

利回り? 評価額の高いもの? 家賃の高いもの?

 

その前に、自分にとってのお宝物件とは何かを考えてみましょう。

 

人それぞれにお宝の意味合いは違います。たとえば、初めて物件購入する方なら、オーナーチェンジ(※)ですぐに家賃が入るものであれば、少しばかり利回りが落ちてもすぐに家賃が入るので実績をつくるには最適です。

 

(※)オーナーチェンジ……賃貸住宅の所有者が入居者が入ったままの状態で、その住宅を売却すること。全古協ではプランナー同士のオーナーチェンジがあり、物件のクオリティーが統一されていることや入居者の情報などが開示されている。

 

12月に購入したとしても、確定申告ができて晴れて大家業実績1期目になります。この確定申告は銀行に対しての信用として実績になるのでとても大切です。

 

同じ初心者の方でも勉強・経験をしたい方なら戸建てで便利な場所がいいでしょう。多少利回りが落ちても駅に近いほうがいいでしょう。経験もできて入居付けもそれほど難しくないからです。

 

また、同じ初心者でも、手持ちのお金がない方でもできるだけ安く購入できる、利回りの高い物件ということもあります。キャッシュフローを早く増やしたいという方にはお宝物件です。その場合は、テラスや小さな戸建てで、便利の悪いところや条件の悪いところがいいでしょう。なぜならば、利回りが高いのももちろんですが、条件の悪いものを再生した経験が自信につながり、これからの大家業の成長スピードがとても速くなるからです。

 

これは事実です。不動産の買える幅が広がるし、再生能力が高くなるので、利回りも良くなり売却する時も高く売れるようになるからです。

 

このように、お宝物件とは人それぞれ違うことがわかります。まずは、今の自分に何が必要なのか考えることが大切です。

良い物件を購入するには「スピード」も大事

とはいえ、お宝物件での必須条件として「スピード」があります。

 

ある時、物件見学ツアーをしている前日の夜に情報が入ったことがあります。当然、スケジュールは前日には決まっているので、この情報物件はツアーの最後に急きょ入れました。

 

その物件の前に着いた時には辺りは真っ暗。電気もきていなかったので、真っ暗な建物の中にスマホの明かりだけで入りました。

 

中は動産でいっぱい。真っ暗なので足元もおぼつかない状態です。

 

しかし、ここでも慣れた会員の方はドンドン率先して入っていきます。真っ暗だし動産で見にくく、現場調査するには最悪の状態です。

 

そのような条件で、すぐに200万円で買付を入れたのです。

 

その根拠はこうです。前道は狭いですが、駅から7分くらいの立地で3階建て築30年。家賃は5万5000円なら固い。リフォーム額はその場で再生士が230万円と概算。すぐに利回りが15%を上回ることがわかりましたので、あとはスピードで勝負です。

 

昨日の夜に入ってきた物件情報なので、ほかの方がまだ見ていない。それなら買付が通る可能性が高くなります。結果的には翌日に買付が通りました。これで駅近くの高利回り物件が1日ででき上がったのです。

 

この話は次回に続きます。

儲かる! 空き家・古家不動産投資入門

儲かる! 空き家・古家不動産投資入門

三木 章裕,大熊 重之

フォレスト出版

◆2018年には5~6軒に1軒が空き家に! 空き家・古家不動産投資とは、物件を安く買い、リフォームをして収益賃貸物件に再生することです。いまや空き家・古家は社会問題になっており、これからも増加の一途をたどっていきます。…

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