前回に引き続き、安定した家賃収入をもたらす「お宝物件」の条件を説明します。今回は、高利回りが得られた物件、民泊に転用した物件について、具体的に紹介します。※本連載は、収益不動産経営コンサルタントの三木章裕氏と、一般社団法人全国古家再生推進協議会の理事長などを務める大熊重之氏の共著、『儲かる! 空き家・古家不動産投資入門』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋し、「空き家・古屋物件」の選び方&買い方を、事例をもとに探ります。

借地が「25%もの利回り」を得られるお宝物件に!?

前回の続きです。もう1つ、お宝物件の事例があります。ある日、全古協になじみの不動産業者から電話がありました。

 

「全古協さんは借地も購入しますか?」

 

全古協の中には借地の事例もあり、会員の中には司法書士で借地を買っている方もいます。そこで私は答えました。

 

「はい。喜んで購入いたします」

 

それだけ伝えて現地調査を翌日に設定しました。すぐにメールでプランナーに案内を出し、同行する方を募集しました。平日でしかも前日での案内にもかかわらず3名の方が集まり、再生士と一緒に現場に行きました。

 

思っていたより家はしっかりしています。丁寧に使われている様子で内装もきれいな状態です。部屋数も多く差別化もあります。

 

といっても、築42年、それなりにリフォーム代はかかりそうです。場所も駅からは約15分。ですが、行政施設やスーパーなども近くにあり人気の地区です。貸し出すには問題のないところです。お宝物件になる匂いがします。

 

条件を付けて、すぐに買付希望しました。

 

結果、買付額は早期に決まり、売主さんにもとても喜ばれました。そして、スピード買付&スピード契約で、なんと25%の利回りを得られることになったのです。

状態と立地の悪い物件を「民泊」に転用

最後にもう1つ、めずらしい事例です。不動産業者からすぐに見てほしい物件がありますと、電話の口調から売り急いでいる案件だとわかりました。

 

翌日に再生士を連れて現場調査です。その物件は築45年で状態は悪く、前道が細く再建築不可の物件。なかなか売りにくいのはすぐにわかりました。

 

再生士が出した工事額は250万円。駅から近いけれどその周辺は古い家ばかりでごちゃごちゃしています。家賃を高くするのは厳しい。よって6万円の家賃相場で計算しました。(6万円×12=72万円÷15%〈再建築不可なので高めに利回りを計算します〉=480万円)―250万円=230万円の買付額になりました。

 

しかし、この買付額では通りませんでした。350万円なら売ってもいいということでした。しかし、その金額で計算すると12%の利回りです。再建築不可の物件では利回りが少なすぎます。

 

しかし、場所は悪くても近くの駅は大阪環状線の駅でした。なかなか出てくる物件ではありません。

 

そこで考えたのは「民泊」です。再度検討すると簡易宿泊所の許可も得られる地域です。

 

家賃は、民泊業者に聞くと20万円の宿泊料は取れそうです。運営業者の手数料20%を引いても16万円になります。その代わり、旅館仕様にする必要があるため工事費が400万円になります。

 

(16万円×12=192万円)÷750万円=25%

 

リスクはありますが悪くはありません。ここはチャレンジです。結果的には、ほぼ予想通りの収支となり、2年後に1200万円で売却できたのです。

儲かる! 空き家・古家不動産投資入門

儲かる! 空き家・古家不動産投資入門

三木 章裕,大熊 重之

フォレスト出版

◆2018年には5~6軒に1軒が空き家に! 空き家・古家不動産投資とは、物件を安く買い、リフォームをして収益賃貸物件に再生することです。いまや空き家・古家は社会問題になっており、これからも増加の一途をたどっていきます。…

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