今回は、空き家・古屋の購入を検討する際に、物件に見合う予算を算出する方法を説明します。※本連載は、収益不動産経営コンサルタントの三木章裕氏と、一般社団法人全国古家再生推進協議会の理事長などを務める大熊重之氏の共著、『儲かる! 空き家・古家不動産投資入門』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋し、「空き家・古屋物件」の選び方&買い方を、事例をもとに探ります。
重要なのは、販売価格ではなく「収益率」
私たち全古協では、物件の購入の際の価格を家賃から逆算します。
(相場家賃×12カ月÷利回り=物件総額)―リフォーム費用=購入額
ここであなたはお気づきになりましたか? 実はこの式には販売額がありません。通常、売主がつけた販売価格があり、そこから値引きをしてもらうなど検討するものです。しかし、収益として考えるなら、その物件でどれくらいの儲けが出るのかがすべてです。であるならば、収益率が一番の購入数字になるはずです。
何でもかんでも安く叩けばいいものではありません。あなたが長く大家業をしたい、成長する大家になりたいと思うなら、不動産業者との良好なお付き合いは欠かせません。
しかし、私たちもビジネスです。私たちの試算に合っていれば売値で購入、収益が合わなければ価格を抑えてもらうしかありません。それには根拠のある数字を出すことが大切です。
何度も言います。「安く叩いてやろう! とにかく安く買いたい」ではありません。
家賃相場は「3軒以上の業者に聞く」ことが重要
実際の購入する順序で解説しましょう。不動産屋からくる物件資料には、「種目(※)、住所、価格、所在地、駅からの徒歩時間、土地面積、建物面積、築年数、設備、備考」などがあります。そして、間取り図面があります。
(※)種目……不動産用語。マンション、戸建て、土地、店舗、事務所など不動産の種類をいう。
まずは、地域と間取りを見て家賃相場を調べます。調べ方はインターネットか不動産業者に電話で聞くか、不動産業者に訪問するかになります。
その際の注意は1軒だけだと偏った情報になる可能性があるので、3軒以上の業者に聞くことです。多ければ多いほどいい。その際、近隣の競合物件も調査します。条件としてリフォームは済ませると伝えてください(古いままで貸し出しするのではないことを認識しもらう。良く知った業者だとどれくらいのクオリティーのリフォームをするのかを知ってもらっているので、詳細な家賃が出ます)。
プランナーの方なら相談員や再生士に問い合わせることもできます。
この話は次回に続きます。
株式会社大阪賃貸不動産経営研究所
所長
収益不動産経営コンサルタント
収益不動産経営コンサルタント。一般社団法人日本不動産コーディネーター協会理事長。一般社団法人全国古家再生推進協議会顧問。指導先の資産形成額が300億円以上にのぼる、不動産による資産づくりの専門家。喜ばれる大家の会事務局長。
大阪中心に親の代から不動産業・大家業を営み、アパート・マンションの経営については、一般社団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)の浦田健氏に師事、大阪にてパートナーコンサルタントとして活動。一般のサラリーマンでも無理なくできる資産形成としての不動産投資のノウハウを伝授している。特に、現在は全国に1000万戸を超えるといわれる「空き家」を活かして手軽に収益化するノウハウを提供。「空き家」という社会問題の解決し、住まいを確保することが困難な人々と投資家をマッチングして、たくさんの人を豊かで幸せにすることをミッションに日々邁進している。
著者プロフィール詳細
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連載事例解説!「空き家・古屋物件」の選び方&買い方
一般社団法人全国古家再生推進協議会理事長
一般財団法人日本不動産コミュニティー講師
株式会社オークマ工塗代表取締役
オークマグループCEO
1966年生まれ。町工場が密集する東大阪市で、父親から引き継いだ部品塗装の会社を引き継ぐも、下請けから脱却できない不安を抱える。そんな時、空き家・古家不動産投資を知り実践、資産を築く。同時に、周辺の中小零細企業の経営者も収入源と将来の不安に悩まされていることに疑問を感じ、空き家・古家不動産投資で別の収入源をつくることを提案し協議会を立ち上げる。
現在では、会社経営のほか、自らも大家業をしながら現在までに350棟以上の古家再生をし、中小企業経営者、サラリーマン、主婦まで多くの大家を生み出している。
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