今回は、不動産投資の観点から「都会」と「田舎」の相違点を考察します。※本連載は、不動産投資アドバイザーとしてコンサルやセミナーを行う多喜裕介氏の著書、『田舎大家流不動産投資術:たった3年で家賃年収4700万円を達成した私の成功法則』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、なぜ今、投資対象として「田舎不動産」がねらい目なのかを具体的に探っていきましょう。

田舎の地価は、都会に比べて「極端に安い」

(1)土地建物割合の違い

 

不動産投資において「都会」と「田舎」で圧倒的に違う点は、以下の図表1を見て分かると思いますが、「田舎」の地価が極端に安い点にあります。

 

[図表1]平成28 年住宅地の都道府県別価格指数

(注) 東京都の住宅地の平均価格は332,800 円/㎡である。
(注) 東京都の住宅地の平均価格は332,800 円/㎡である。

 

「都会」と「田舎」で同額の物件を購入した場合、建物金額は「田舎」の方が多く占め、また建物の規模が大きくなり、減価償却できる金額が多くなります。「都会」では減価償却を多く取るために売主と土地建物割合を交渉したりすると思いますが、「田舎」ではそのようなことは不要なのです。

田舎の物件は手残りが多いが、「減価償却割合」も多い

以下の図表2は、インターネット上に掲載されていた東京と地方物件の情報から土地建物割合と利回りを調査し、物件価格が2000万円だった場合の比較をしたものです。

 

[図表2]都会物件と田舎物件の運営シミュレーション

 

比較しやすいように、諸経費は考慮せず、所有期間は満室、融資を使わずに100%現金購入したと想定します。

 

立地や入居付けの難易度を別にして比較すると、「田舎」の物件は手残りが多いことがわかります。しかし、減価償却割合が多いということは、簿価の減少スピードも速いことになり、簿価上は安い土地としての価値しかないことになります。

 

つまり、「売却額-簿価=利益」となるため、売却時の利益に対して税金がかかることになります。

 

また、出口として建物を取り壊して土地として売却すると、収益性としての価値がなくなり、ただの格安の土地となってしまいます。そのため、建物と入居者がいる状態で売却せざるを得ないことになります。

 

築古物件を購入する際の出口戦略は、あらかじめ所有年数を考えた運営が必要になります。

 

この話は次回に続きます。

田舎大家流不動産投資術 たった3年で家賃年収4700万円を達成した私の成功法則

田舎大家流不動産投資術 たった3年で家賃年収4700万円を達成した私の成功法則

多喜 裕介

合同フォレスト

「レッドオーシャン」の都会より、「ブルーオーシャン」の田舎をねらえ! 不動産投資を始め、キャッシュフローを増やし、2年でサラリーマンを退職。知識はもちろん、数々の経験から、田舎で勝てる理論を構築した著者が、実例…

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