訴訟を起こされる可能性も!? 近隣に越境した「空き家の庭木」

本連載は、NPO法人空き家サポートセンター理事長で、行政書士を務める水谷秀志氏の著書、『空き家大国ニッポン』(せせらぎ出版)の中から一部を抜粋し、「空き家」にまつわる諸問題や相続対策について探ります。

枝の越境は「隣地の所有権の侵害」に該当

民法第二三三条には、次のように定められています。

 

1条 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

 

2条 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

 

これは隣家から越境してきた庭木等に関する法律ですが、空き家を放置することにより隣家や道路にまではみ出しているのはよく見かける光景です。

 

枝の越境は隣地の所有権の侵害に該当するため、損害を与えた場合には所有権侵害を取り除く妨害排除請求の訴訟を起こされる可能性があります。

 

たった1本の枝が、隣家とのトラブルに発展することも

また、隣地の庭木等の根が越境した場合は所有者の同意を得ることなく、その根は自分の物として勝手に切り取ることができると法律は決めています。しかし、むやみやたらに切り取る事ができるわけではなく、建物を建設する場合に必要以上に延びている根を切り取るということです。

 

補足として、根を切り取ることにより木が枯れるという事が明らかな場合は、木の所有者に対して植え替えの機会を与える程度の配慮が必要です。

 

法律ではこのように決められていても現実はどうでしようか。仮に、空き家の所有者の連絡先を知っていたとして越境している庭木をスムーズに切ってもらえるでしょうか。越境してきたたった1本の庭木が毎日の生活に不快感を与え、隣家とのトラブルの原因になっているケースが多くみられます。

 

NPO法人空き家サポートセンター 理事長
行政書士 

1949年、香川県生まれ。日本大学文理学部卒業。卒業後は陸上自衛隊の幹部自衛官として平成16年に2等陸佐(陸軍中佐)で37年間の勤務を終えた。その後、行政書士として登録し、その中で相続が行われず放置され増え続けている空き家問題に強い関心を持ち空き家対策事業に関わる。

日本の空き家総数は約820万戸(平成25年総務省統計局発表)で具体的な問題解決には行政も民間も手つかずに近い状態が続いている。空き家という負の遺産を富の遺産として空き家問題解決に熱意をもって取り組み各地で講演会や相談会を行っている。空き家問題には法律の専門知識が必要なことから国家資格者を中心とし空き家に特化したNPO法人空き家サポートセンターを理事長として運営している。また、将来は大学などの教育科目として「空き家学」の確立を目指している。

著者紹介

連載管理は? 相続は? 困った「空き家」問題への対応術

 

 

空き家大国ニッポン

空き家大国ニッポン

水谷 秀志

せせらぎ出版

えっ! 住宅の7軒に1軒は空き家!? これだけは知っておきたい、空き家活用と除去の基礎知識。 はじめに―深刻化する空き家・空き地問題 第1章 日本の空き家は今… 第2章 なぜ空き家は増え続けるのか? 第3章 空き家がひき…

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