短期レンタルの場合、諸経費の目安は「収益の35%」
バリ島のヴィラで収益を得る場合、「短期レンタル」と「長期レンタル」があります。それぞれメリット・デメリットがありますが、ヴィラの立地が観光客に人気があるエリアなら、短期で旅行者にレンタルしたほうが収益は上がります。長期で貸すよりも、短期(1日単位)で貸すほうが単価が高いからです。
しかし、短期レンタルの場合、諸経費はオーナー持ちになります。諸経費を合計すると、レンタルの収益に対して35%ほど必要です。内訳は、以下の通りです。
●スタッフの人件費
●光熱費、通信費、備品
●旅行エージェント、サイト手数料
●修繕費、メンテナンス費
●バンジャール、交際費
●管理、集客費
下記は、あるヴィラ(3ベッドルーム、月レンタル収益50Jrp)で、実際にかかった1ヶ月の経費です。
(単位:Jrp/1Jrp=8,300円)
【月レンタル収益】・・・ 50Jrp
人件費 :2.5
電気代 :1.2
ガス代 :0.1
WIFI・CTV :0.5
ランドリー :0.3
プール管理 :0.8
備品代 :0.2
交際費 :0.25
修繕費 :0.4
管理費 :11
合 計 :17.25
※レンタル収益に占める割合=34.5%
オーナーの実収益=32.75Jrp(27万1.825円)
このヴィラの売買価格は、約2500万円だったので、月利回り1.087%、年利回り約13%となります。このペースですと、イニシャルコスト(諸経費込)は7年9ヶ月で回収し、その後は収益を生み続ける計算になります。
17.25JRPというのは、日本円にして14.38万円。このヴィラの月額賃料収入50JRP(40万円)に対して、14万円が諸経費というのは、高額に感じられると思いますが、それも短期レンタルだからなのです。
短期レンタルの対象は観光客ですから、ホテルに近いサービスが求められます。長期レンタルは居住者が対象ですから、ほとんどの経費は賃借人となるのですが、短期の場合はその多くがオーナー負担となり、そのぶん宿泊費が高くなるというわけです。
行き届いた管理のためには、それなりの人件費も不可欠
まずは人件費について見ていきましょう。
★ヴィラのスタッフの主な仕事
掃除、洗濯、シーツ・ピロケース交換、シャンプー・石鹸の交換、食器などの洗い物、ミネラルウォーターの交換、庭の草刈り、枝切り、水まきなどは毎日行う。その他、必要に応じで不足品の買い物等。
ヴィラの大きさにもよりますが、3ベッドなら2人はいたほうが良いですが、コスト的なことを考えると、1人でもできなくはありません。ただし、完璧な仕事をしようとすると、手が足りなくなり、管理が不十分になりがちです。そうなると、予約サイトのレビューに低評価をつけられる可能性があり、それによって稼働率が変わるリスクがあります。コストと丁寧さのバランスを考えることが重要でしょう。
また、スタッフの給料設定をどうするかも大切です。観光客の場合、欧米人が多いため、英語が話せることが望ましく、なおかつ、それなりの教育を受け、常識や教養がある人間が望ましいといえます。
バリは観光地なのでホテルが多く、ホテル人材の養成の学校がありますが、そうした学校の教育を受けている場合、給料も高めになりやすく、安い人件費での人材確保は難しくなります。
現在、ハウスキーピングだと1人当たり、2Jrp~3.5Jrp/月が給与の相場で、弊社の場合、お祭りなどの行事の際には、ボーナスの支給もしています。200人近くのスタッフを雇っていますが、これがなかなか結構大変なのです。
バリ島のヴィラはオープンな造りが多いから、1日たてばほこりも溜まるし、ごみも落ちるし、ヤモリなどの糞が見つかることもあります。清掃はホテル管理の基本。手を抜くことはできません・・・。
次回は人件費以外の項目について解説します。