不動産売却によって得た利益は、確定申告で納税
物件を売却するにあたってもっとも気になるのは、やはり、売却しようとする不動産そのものの価格でしょう。ただし、不動産の売却にはいくつかの費用がかかります。その点を考慮しておかなければ、正しい売却額を試算することはできません。
とくに注目しておきたいのは、「税金」と「不動産会社への仲介手数料」です。この二つの費用は、不動産売却において大きなウエイトを占めます。だからこそ、あらかじめどのくらいかかるのかを知っておかなければならないのです。
このうち譲渡所得税に関しては、確定申告を経て納税することになります。もし、不動産売却によって利益を得ているのにも関わらず納税しなければ、所得税法違反として処罰されたり、延滞税や加算税が課せられたりする可能性があります。注意してください。
また、不動産会社への仲介手数料に関しては、税金と同様に宅地建物取引業法(国土交通大臣告示)で上限が定められています。その上限を超えて請求することはできませんので、あらかじめ計算方法を理解しておけば、余計にとられることはありません。
それでは、不動産を売却した際にかかる税金について、具体的にみていきましょう。詳細については国税庁のホームページに記載されていますので、そちらもあわせてチェックしてみてください。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/jouto303.htm(国税庁)
1千万~5千万円の物件契約には2万円の印紙税が必要
不動産売却時の税金には、主に次の三つがあります。
●売買契約に添付する印紙税
●抵当権抹消登記の免許税(抵当権が設定されている場合)
●不動産譲渡所得税(売却により利益がでた場合)
このうち印紙税については、契約金額に応じてその税額が決まっています。その都度、国の軽減措置によって金額が異なりますので、最新の情報を国税庁のホームページから確認するようにしてください。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/08/10.htm(国税庁)
目安として、1000万円を超え5000万円以下の場合は2万円(現在の軽減税率適用の場合1万円)とされています(2016年時点)。通常、契約書は2通作成することになりますので、売主と買主の双方が負担します。
また、印紙代を節約したいなら、売主、買主が合意することにより、原本に印紙を貼り、その原本をコピーして2通目を作成します。この場合は原本に印紙を貼ればいいだけなので、双方が費用を折半にすれば印紙代が半分になります。一方が原本、もう一方がコピーを保管します。
この方法にすれば、5000万円を超え、1億円以下の場合は3万円ですので、1万5千円得することになります。
この件については、売買契約前に不動産業者に、「私の契約書はコピーで構わないので、印紙代を折半にできませんか?」と聞いてみてください。
ただし、相手方が不動産業者の場合、不動産業者がコピーを持ち、もう一方が原本で印紙代を全額負担するケースもよくあります。取引をうまくまとめるためには印紙代だけに固執することなく、臨機応変に対応したほうがいいでしょう。