前回は、賃貸併用住宅建築時の建設の可否に影響する土地と道幅に定められたルールを取り上げました。今回は、土地購入にあたって事前確認が必要な権利関係について見ていきます。

土地所有者と第三者との間に、約束事がないかを確認

建物を建設する前提として、そもそもその土地を自らのものにできるものなのかが問われることもあり得ます。それは、土地所有者とそれ以外の第三者との間で、すでに、何らかの約束を交わしていたり争いが生じていたりするケースです。

 

このようなケースでは、仮に売買契約を交わし代金を支払ってその土地を手に入れたと思っても、後でそれが反故にされる事態も考えられます。土地所有者にだまされたことになるわけです。

 

また土地所有者がその土地を担保にお金を借りている場合も、要注意です。お金を貸した側はその土地を担保としているわけですが、そのような土地を購入した場合、それがそのままの状態では困るので担保から外してもらうことが不可欠です。

 

土地にはその所有者の所有権以外にも、さまざまな関係者の権利が設定されていることがあります。土地を購入する場合にはあらかじめ、所有権以外の権利が設定されていないか、設定されていたとしても土地の購入・利用に支障はないのか、といった点を確認しておくべきです。

権利設定の有無をチェックできる「全部事項証明書」

そうした権利設定の有無を確認するには、購入を検討する不動産に対する登記事項を、全部事項証明書という書類を通じてチェックします。「仮登記」「仮処分」「仮差押」などが登記されている場合には、第三者との間ですでに何らかの約束を交わしていたり、争いが生じていたりする可能性が見込まれます。

 

「抵当権」や「根抵当権」という権利が設定されている場合は、その土地を担保としてお金を借りているということです。売買契約に伴ってその抵当権が確実に抹消される保証がないと、土地を購入したはいいものの、抵当権が設定されたままという事態にもなりかねません。いずれにしても、登記事項の確認は検討段階で絶対不可欠な作業の一つです。

本連載は、2017年8月25日刊行の書籍『絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム

絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム

金子 征司

幻冬舎メディアコンサルティング

賃貸併用住宅は、マイホームの一部を賃貸用の部屋にして、家主が自宅として住みながらも家賃収入を得られる「働くマイホーム」です。しっかりと賃貸管理を行って家賃を確保できれば、住宅ローンの返済を毎月ゼロ円に抑えること…

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