今回は、数百円単位で正確にコントロールする大富豪の「家計管理手法」を見ていきます。※本連載は、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社の代表取締役、新井直之氏の著書、『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』を一部抜粋し、総資産50億円以上の大富豪に仕えた執事だけが知っている「富の築き方」をご紹介します。

収入と支出で口座を分け、家計をコントロール

大富豪はさまざまな銀行から「口座を作ってください」とお願いされるので、いくつもの口座を持っています。ですが、たいてい決済用に普通預金の口座を一つだけ用意され、ほかの口座は定期預金にしています。

 

大富豪が決済用口座に入れているのは、一カ月分の生活費だけです。役員報酬や不動産収入などが振り込まれるのは別の口座です。

 

私は以前、自分の給与の受け取りと生活費などの支払いを同じ口座で管理していて、大富豪から注意されたことがあります。

 

「収入と支出が一緒になっていると正確に家計がコントロールできないだろ。一カ月の生活費をきちんと計算し、決済用口座から引き落とされるだけにしておけば、自分の見込みが正しいかわかるし、無駄な買い物もしないですむはずだ」

 

確かに、月半ばでお金に余裕があると、少し高いレストランに行ったり、新しい服や靴を買って浪費してしまいがちです。

 

大富豪の家計コントロールの腕前は見事なものです。

無駄遣いが減り、計画的に投資資金を増やせる

私は時々お客さまに頼まれて、通帳と印鑑をもって銀行の手続きに行くことがあります。そういうときに、「今月の生活費が足りないから、ちょっと別の口座から移してくれないか」といったご依頼を受けたことはまずありません。それは、大富豪が一カ月の生活費と見込んだ額を超えて使うことが滅多にないからです。

 

こう話すと、「大富豪だから、常に口座には預金保険の対象になる上限いっぱいの1000万円近く入っていて、いくら使っても足りなくなることはないのだろう」と思うかもしれませんが、それは違います。月末に口座のお金が大きく余ることもないのです。それどころか、月の最終日には、300円とか400円といった少額しか残っていません。

 

大富豪は、一カ月の生活費を数百円単位で正確にコントロールしているのです。

 

大富豪の家計管理手法を取り入れることは、私たちにもメリットをもたらします。

 

まず、普通預金の口座を入金用と決済用にきちんと分け、毎月、決済用口座に入れただけの額で生活していきます。

 

そうすれば、何にいくらかかっているのかがよく把握できますし、無駄遣いすることも少なくなるでしょう。慣れてくれば大富豪のように月末の残高は数百円のみという状態になるはずです。それだけ正確に計算できれば、給料が出た時点で貯蓄や投資に回せるお金も決まるので、計画的に投資資金を増やしていけると思います。

 

★収入と支出の口座は別々に分ける

執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学

執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学

新井 直之

幻冬舎

総資産50億円以上のVIPたちにお仕えしてきた一流執事が明かす、世界の大富豪の富を呼ぶシンプルな習慣 本書は『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』の第二弾として、執事の丁寧な口調で語られる〝お金〟をテーマに…

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